「グーグルマップ」はどこまで勢力を広げるのか

誕生から15年、10億人が使う巨大アプリに

A地点からB地点への最適な経路を案内するところから出発したグーグルマップは、いつの間にか街のあらゆる情報を詰め込んだサービスとなった。実際、グーグル側もユーザーに地図以上の機能を使ってもらおうと明確に考えており、それは15周年にあたって実施されたアプリの大型アップデートに表れている。

地図をイメージしたアイコンが地図上で選択した場所を示す「ピン」の形に変わった最新版のアプリを開くと、画面の下に5つのタブが現れる。「スポット」「通勤」「保存済み」「投稿」「最新」というタブだ。

新しいマップアプリの狙い

スポットでは地元のレストランや周辺の観光スポット、街のランドマークなどが一覧になっているうえ、最新タブでは地域の専門家やメディアが発信する情報が流れてくる。通勤は毎日の通勤経路を設定すれば、リアルタイムの交通情報や移動時間、別ルートの提案も表示される。保存済みは気になる飲食店などの場所を保存しておく場所だ。

2月初旬にグーグルマップが15周年を迎えるにあたってアップデートされたスマホアプリ。下部に5つのタブが並んでいる(画像:Google)

そして投稿タブは、先述したローカルガイドとして投稿した場所の評価や写真を確認できるほか、地図を編集したり。載っていない場所を追加したりと、地図を“作る”という形の投稿もある。見やすい位置にこのタブを置いたのは、投稿を一層促したいという狙いの表れだろう。

「地図を最新に保つうえで最も重要なのが、ユーザーからの投稿だ。新しい店などがオープンした際に、店のオーナーや周辺住民のユーザーがいち早くアップデートしてくれる。ローカルガイドのコミュニティーは、世界中でわれわれの目となり耳となって助けてくれている」(フィッツパトリック氏)

もちろん、ユーザーの投稿“だけ”でグーグルマップが成り立っているわけではない。グーグルは現在世界各国で、「Ground Truth Project(グラウンド・トゥルース・プロジェクト)」と呼ばれる地図の完全自社開発に取り組む。

ストリートビューや衛星撮影の写真、匿名化されたユーザーの移動パターンといったあらゆるデータを機械学習で処理し、地図に落とし込んでいる。自社開発にすることで、修正・編集のスピードを速める狙いがある。住所の記録が整備されていない新興国では、家の壁に書かれた番号をストリートビューの画像から認識し、住所として登録するという試みもある。

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