「グーグルマップ」はどこまで勢力を広げるのか

誕生から15年、10億人が使う巨大アプリに

ここまではおおむねデジタル地図としての進化といえるものだったが、2014年からは潮目が変わった。この年、グーグルマップではレストラン、バー、ホテルの営業時間や評価、価格などの情報を検索する機能が追加された。

翌2015年には、そうした事業者のオーナーが自らビジネスの情報を更新したり、写真を追加したり、評価コメントに返信したりできる無料の管理ツール「グーグルマイビジネス」が登場した。単に住所で示すのではなく、店名や会社名で検索してすぐに見つけられるのは、事業者側が自らの宣伝も兼ねてプロフィールを作り、更新していることが大きい。

ユーザーの要望は検索行動に表れていた

「グーグルの検索にしても、マップにしても、ユーザーがテキストボックスに入力したり、マイクに向かって話したりして、質問をつねに投げかけている。これはユーザーが求めるものを示す素晴らしいシグナルだ。どの質問なら答えることができているか、あるいはまだ期待に届いていないか。いつもインスピレーションの源だった」

グーグルマップにはあらゆる飲食店や衣料品店などの情報が集まっている(記者撮影)

前出のフィッツパトリック氏はそう話す。ウェブサイトへのリンクや電話番号を調べるために、単にレストランの名前を検索していたところから、この地域で一番評判のいいラーメン店はどこか、その店のおすすめメニューは何か、そのメニューの写真を見たい、混雑する時間はいつか、などと、検索内容は年々複雑になり、ユーザーの期待値も高まった。

そこで2015年に始まったのが、「ローカルガイド」の制度だ。簡単にいえばユーザーに口コミを投稿してもらう仕組みで、レストランや観光地などのレビューや写真、Q&Aへの回答など、投稿数が増えればレベルが上がっていく。高レベルのユーザーはいち早く新機能が使えたり、各国で行われるローカルガイドを対象にしたイベントに招待される。

現在は全世界で毎日2000万の口コミや写真の投稿がある。ローカルガイドのメンバー数は1億2000万人だ。実際に投稿すると、「あなたの写真は人気です!4万回以上表示されました」などと通知が来る。ユーザーの多さを示すように、投稿した口コミや写真の総閲覧数は何千回、何万回にあっという間に膨れ上がる。通知も入れることで、より多くの投稿を促そうとしている。

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