「グーグルマップ」はどこまで勢力を広げるのか 誕生から15年、10億人が使う巨大アプリに

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縮小

日本では2019年3月中旬に新たな地図が導入され、あるはずの道がなくなっているなどの初期トラブルに見舞われた。それまでは国内地図大手のゼンリンが地図基盤となるデータを提供していたが、このタイミングで契約は大幅縮小された。

同年9月末にはすべての契約が終了し、グーグルマップの利用規約などから「ZENRIN」の文字が消えた。「グーグルのアメリカ本社は、『日本の地図はやたらに高い』と言っていたようだ」。ゼンリン関係者はそう振り返る。

グーグルマップが稼ぎ始めた

そんな“高い”投資をしてきたグーグルマップも、収益化の段階を迎えつつある。1つは「グーグル・マップ・プラットフォーム」と呼ばれる地図機能の外部提供だ。配車や位置情報ゲームなど外部企業が開発したアプリに組み込む際に課金する。直近ではスクウェア・エニックスのスマホゲーム「ドラゴンクエストウォーク」もその1つだ。

グーグルマップで増えつつある検索結果上の広告(画像内の「Ads」と書かれているもの)。結果内のほかの場所よりも目立つようになっている(画像:Google)

もう1つ、この1~2年で強化しているのが広告だ。マップ内での検索結果や飲食店などの情報パネルの中に表示される広告のほか、マップ上で店を目立たせるピンの広告もある。

「新たな形の広告の導入は慎重に進めている。広告主の体験だけでなく、ユーザーにとっての有用性も気にしているからだ。多くのテストと修正を繰り返しながら、正しいバランスを見極めている」(フィッツパトリック氏)

広告商品の展開を始めたのは、それだけユーザーが定着していることの裏返しだろう。グーグルマップには年々新たな機能が増え続けている。昨年はスマホのAR(拡張現実)機能を活用して周囲の風景にARの道順案内を重ねて表示する「ライブビュー」機能を開始。また、公共交通機関の混雑度予測のほか、今後は車内の気温やバリアフリー設備の有無、女性専用車両、より座りやすい車両などがわかるようになるという。

何もかもが巨大なグーグルマップは、一体どこまで進化を続けるのだろうか。

中川 雅博 東洋経済 記者

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なかがわ まさひろ / Masahiro Nakagawa

神奈川県生まれ。東京外国語大学外国語学部英語専攻卒。在学中にアメリカ・カリフォルニア大学サンディエゴ校に留学。2012年、東洋経済新報社入社。担当領域はIT・ネット、広告、スタートアップ。グーグルやアマゾン、マイクロソフトなど海外企業も取材。これまでの担当業界は航空、自動車、ロボット、工作機械など。長めの休暇が取れるたびに、友人が住む海外の国を旅するのが趣味。宇多田ヒカルの音楽をこよなく愛する。

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