若者が得たセックスの自由は大事にしていい

湯浅誠×瀬戸内寂聴 リベラル対談(後編)

実際に経験して、多様な人たちと交わる

──東日本大震災が起きたときに、「絆」という言葉が日本中で叫ばれましたが、東北に行っていない人には「絆」は上滑りしていたようです。

瀬戸内:実際に東北に行って自分の目で見るべきです。見ないとわからないもの。

湯浅:確かに行ってみると、特に最初の頃はニオイもしてね。焼けたような腐ったような、そういうのが混ざり合った独特のニオイ。テレビではニオイまでは伝わらない。ああいうニオイは忘れられないですね。やっぱり経験したことのインパクトは大きい。

瀬戸内:想像力は生まれたときにみんな同じようにもらっているのですが、それを育てるか育てないかで、だんだん変わってきます。じゃあ、どうやって育てるかといったら、本を読むことね。あと映画を見たりして追体験すること。

湯浅:異なる人たちとの交わりも大切ですよね。私はやっぱり兄貴が通っていた養護学校、今は特別支援学校と呼びますけど、そこへときどき兄貴を迎えに行きました。クラス全員で最後に「蛍の光」を歌って終わるのですが、歌っている間に奇声を上げている子もいれば、走り回っている子もいれば、よだれを流している子もいてね。なんか人間っていろいろなんだなと、子ども心に思ったのは今でも覚えています。

そういう障害のある人と接点がなければ、なかなか想像できなかった。だって、自分の通っている学校には、自分と同じような健常者の子ばっかりですからね。そういう子と自分の親しか知らなかったら、人間はいろいろだなんて想像できなかったと思う。

だから、学校のクラスの子どもだけじゃない、親だけじゃない、地域の人や障害のある人、外国籍の人、そういう多様な人たちと接する機会を大人たちが作るのは、想像力があってイノベーティブな子ども、将来の大人を育てるうえで、とても重要だと思います。

瀬戸内:本当にそうですよ。東北へボランティアで日曜ごとに通っている若者と話したけれど、みんないい人でしたよ。

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