「睡眠が上手に取れる人」に共通する5つの法則 ムダな眠気に悩まず、すっきり仕事できる

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図の帰宅時間帯の部分③を見比べてみると、Nのほうは平日の21時前後に短時間眠っている箇所がいくつかありますね。帰りの電車でのうたた寝、もしくは帰宅後に自宅のソファーに座ってそのまま寝落ちしてしまったといったところでしょう。逆にハイパフォーマーであるHの図を見てみると、眠気を感じてはいるものの、帰宅時間帯に寝ている様子は見当たりません。

睡眠の仕組みは、バネの原理に似ており、起きている時間が長いほど眠る力がたまっていきます。これを専門用語で「睡眠圧(睡眠の恒常性)」といい、深く長い眠りである「本睡眠」に向け、この睡眠圧をしっかりと貯蓄していくことが大切になってきます。ためにためてきた睡眠圧を本睡眠の直前に一気に解放することが、深い眠りに入るための条件となるのです。

④仮眠をフルに活用している
先ほども書いたように、私たちは起きて光を浴びてから7〜8時間後には、眠気が訪れます。また、睡眠圧の原理によって、起きている時間が長ければ長いほど眠気を感じやすくなることにも抗えません。

これらの眠気を感じることは、身体の異常ではなくむしろ正常なリズムを持っている証しです。ここで重要になってくるのは、日中に感じてしまうこの眠気をどう解消していくかです。

眠気を解消したいとき、多くの人はコーヒーなどカフェインを取っていますが、それはただ眠気を一時的にブロックしているにすぎません。この対処法はドーピングのようなもので、根本的な眠気の解決にはならず、一定の時間をすぎるとまた眠気が押し寄せて、再びパフォーマンスが低下します。

質のよい仮眠を取るための方法

質のよい仮眠をとるためには、以下の3つが重要です。

(1)仮眠時間は15〜30分
(2)心臓より頭が上にくるように眠る
(3)仮眠前にカフェインを取る

この3つを意識すると、質のよい仮眠が取れ、その後のパフォーマンスがアップします。

『ハイパフォーマーの睡眠技術 人生100年時代、人と組織の成長を支える眠りの戦略』(実業之日本社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

⑤寝る時間に拘束されない
これは大変シンプルなことですが、ハイパフォーマーは早く眠れるときは、潔く早く寝ています。睡眠において大切なのは、リズムであり、寝る時間を一定にすることではありません。早く寝られるときに、早く寝ることが、日頃の睡眠不足を解消するために大切なのです。

なぜ、改めてこのことに言及するのかというと、「睡眠のリズムを一定に保つ」という強い意識のせいで、かたくなに寝る時間を一定に保とうとする人がいるからです。「絶対に0時に寝て6時に起きる。6時間睡眠を死守する」という意識の人は思いのほか多いのですが、眠れるときは眠る時間を確保することが大切です。

基本的には「眠い」と感じたら、それは身体が眠りを求めているサイン。疲れ具合や脳の負担は毎日同じではないため、身体と脳の状態に耳を傾け、早く寝たいときは身体に正直になるといいでしょう。

小林 孝徳 ニューロスペース社長

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こばやし たかのり / Takanori Kobayashi

1987年生まれ。新潟大学理学部物理学科卒。素粒子物理学専攻。2013年12月にSleepTechベンチャー・株式会社ニューロスペースを設立。 睡眠の悩みを根本的に解決すべく、大学や医療機関と連携し『法人向け 睡眠改善プログラム』を開発。吉野家やANA、DeNA、東急不動産ホールディングスなどの大企業を中心にこれまで約80社1万人以上のビジネスパーソンの睡眠問題を解決してきた。現代の人々がレストランで食事を楽しむのと同じように、3大欲求の1つである睡眠を、1人ひとりが睡眠をデザインし楽しめる世界の実現を目指している。

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