筋肉体操の谷本氏「運動効果を倍にする歩き方」 ちょっとのコツだけでエクササイズにもなる

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普段の生活で、階段を積極的に使うこともとてもおすすめです。

2階や3階くらいまでならエレベーターやエスカレーターではなく階段を使いましょう。とはいえ、「階段を積極的に」といわれても、あまり体を動かしていなかったり、エレベーターに慣れすぎた人にとっては簡単ではないかもしれません。

そこで、階段をスイスイ上るのに役立つ、ちょっとした体の動かし方のコツを紹介しましょう。筋肉、腱のバネを利用した「反動動作」を使った階段の上り方です。

私たちの筋肉・腱には、弾性力、つまりバネ作用があります。これを上手に使うと、体を要領よくダイナミックに動かせるようになります。このバネ作用を生み出すのが「反動」を使った動きです。

立ち上がる時の「よいしょ」も効果あり

わかりやすい例として、まず椅子からの立ち上がり動作で説明しましょう。

反動を使った倚子での「よいしょ!」(本文より引用)

椅子から立ち上がるときは、必ず一度お辞儀をするように上体を前にかがめてから立ち上がります。

そして体を起こす前に、自然と私たちはそれと反対の前にかがむ動きをとるのです。これこそが「反動」です。

前にかがめる下向きの力を筋肉、腱のバネ作用で上向きに返すため、スッと体を起こして立ち上がることができます(図)。

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バネを使った反動動作のポイントは、お辞儀をしてから体を起こす動作へと「動きを切りかえす瞬間」にポンと力を出すことです。「よいしょ!」という声が出ることがありますが、切りかえしで強い力を発揮するときに、つい声が出るのです。

ですから、「よいしょ!」は、反動を使った動きでうまく力を発揮するためのかけ声といえます。年寄りくさいと思わないでください。むしろその声こそ、活動的に体を動かせている証拠。「よいしょ!」をどんどん使っていただきたいと思います。

試しに、この反動動作を少し大げさにして立ち上がってみてください。反動をバネにしてすっと立ち上がるという感覚がよくおわかりになるはずです。

谷本 道哉 近畿大学准教授

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たにもと みちや / Michiya Tanimoto

近畿大学生物理工学部人間環境デザイン工学科准教授。1972年静岡県生まれ。大阪大学工学部卒。パシフィックコンサルタンツ㈱にて道路トンネル設備設計業務に従事後、東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。国立健康・栄養研究所特別研究員、順天堂大学博士研究員などを経て現職。専門は筋生理学、身体運動科学。「みんなで筋肉体操」の番組中では「筋肉指導」として、筋トレメニューの作成と指導を担当。

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