筋肉体操の谷本氏「運動効果を倍にする歩き方」 ちょっとのコツだけでエクササイズにもなる
日常生活の中で最もエネルギー消費の大きい活動は「歩くこと」です。
普段の歩きをキビキビ行う、歩いていける距離ならば車や電車などを使わずになるべく歩く、といったことを心がけるだけでもずいぶん違うものです。
つまり、普段の移動をエクササイズと考えてしっかり歩けば、すべての道があなたにとってのプライベートジムになるともいえますね。
特別な運動以外の1日の身体活動量はおおよそ「歩数」に反映されます。そして1日の歩数は、歩数計をつけることで把握することができます。いまはスマートフォンのアプリなどでも気軽に計測できるようになりました。
そこで皆さんにはぜひ歩数計をつけ、「自分の日常の活動量」を把握していただきたいと思います。
目標は身体活動基準で示す23メッツ・時/週に相当する、「8000歩から10000歩」。自分の活動量がこの目標値に比べてどのくらいなのか、まずは知りましょう。
速く歩くほど、運動効果がぐんと高まる
私たちが歩くとき、自然と「体の振り子」を利用しています。
脚を振り出すときは、振り出す脚をぶら下がった振り子にし、蹴り出すときは、棒が前に倒れるように、体を前に倒す、倒立振り子の揺れを利用しているのです。歩いているときというのは体という振り子の持つ揺れに自然と合わせているため、歩行動作というのは実はとても効率がよい動きなのです。
振り子の揺れ自体はエネルギー消費「ゼロ」であり、その揺れを存分に利用して、自然の速度で歩いているとき、実は私たちはエネルギー消費を抑え、ラクに進んでいるわけです。
しかし図のとおり、普段の歩きよりも速くすればするほど、この振り子の力に頼れなくなるので、ぐんと運動効果が上がるのです。
例えば通常歩行の70m/分を1.5倍のスピードに上げたとします。やや足早にシャキシャキ歩くくらいでしょうか。
この場合、エネルギー効率は1.6倍ほど落ちます。これは、同じ距離歩いた場合のエネルギー消費が1.6倍になるということ。そして歩くスピードが1.5倍ですから、おおよそ1.5×1.6で、なんと約2.4倍の運動の強度ということになるのです。
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