霞が関で居場所がない愛煙家たちが向かう聖地 女性専用の喫煙エリアまで整備されている

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次に足を運んだのは、厚生労働省だ。昨年の時点では、建物からしばらく歩いた場所に喫煙所があった。確認のため、職員に尋ねてみると「喫煙所はあります。今は『禁煙タイム』ではないのですが、入れないんですよ。健康診断を実施しているので」とのこと。

「禁煙日」はいっさい喫煙できないのだろうか。

厚生労働省の担当者によると、改正健康推進法を受け、2019年7月から「禁煙タイム」を拡大したという。これまで「禁煙タイム」は(1)9:30〜11:45、(2)13:30〜15:00だったが、(3)16:45〜18:15が追加された。喫煙できるのはこれ以外の時間のみだ。

これとは別に、2019年10月から週1回の「敷地内禁煙日」も開始。勤務時間内(8:30〜12:00、13:00〜18:15)は禁煙とし、「禁煙曜日」を「金(禁)曜日」とした。今年1月からは禁煙日が週2回(水曜日・金曜日)に。4月からは完全禁煙となる。

「初めからゼロにするのではなく、禁煙日を増やしていくことで慣れてもらおうと思いました」と担当者は話す。

しかし、すべての愛煙家職員がルールを守り、禁煙しているのだろうか。

「職員には、ルールを守り、弁護士会館などほかの近隣施設の喫煙コーナーを利用しないように周知徹底しています。ただ、見回りにも限界があるので、もしかしたらほかの施設を利用している人もいるかもしれません」(担当者)

「逃げ場」となった弁護士会館

厚生労働省からすこし歩いたところにある弁護士会館は、外と中に喫煙所がある。利用できるのは、入居団体に用事がある人やテナント利用者のみ。利用できる時間帯は、外の喫煙所が平日17:00〜22:00(雨天の日は除く)。中の喫煙所は8:30〜19:00だ。

11時過ぎ、中の喫煙所をのぞいてみると、15人ほどの人がいた。記者はこれまで何度か弁護士会館を訪れているが、同じ時間にのぞいたときは数人程度しかいなかった。

たまたまこの日は訪問者が多かったのだろうか。それとも、行き場を失った愛煙家も紛れているのか。

弁護士会館の喫煙所に貼られた貼り紙(写真:弁護士ドットコム)

喫煙所の入り口や中には、2019年7月の改正健康推進法の施行以降、「弁護士会館利用者以外(主に官公庁職員)の方による利用が目立っています。そのため、入居団体へご用の方・テナント利用者以外の方の利用を禁止することとなりました」と書かれた貼り紙が貼られていた。

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