霞が関で居場所がない愛煙家たちが向かう聖地 女性専用の喫煙エリアまで整備されている
駅前の喫煙所やコンビニ前の灰皿、大学内の喫煙スペース。かつて存在した愛煙家たちの「居場所」は街から消えつつある。
官僚の街、東京・霞が関も例外ではない。
受動喫煙対策を強化する「改正健康推進法」が今年の4月から全面施行となる。2019年7月には一部施行され、すでに行政機関、学校、病院などの敷地内は原則禁煙となっている。
はたして、行き場をなくした愛煙家はどこに向かうのか。記者は1月23日、霞が関に足を運んだ。
裁判所から消えた喫煙所、スモーカーは日比谷公園へ
まず最初に訪れたのは、東京地方裁判所だ。これまで、裁判所を訪れる人々は建物内の喫煙所でしばしの喫煙タイムを過ごしていた。
しかし、この喫煙所は昨年に閉鎖され、愛煙家たちは裁判所の外に設置された喫煙所に移動を余儀なくされた。目立たない場所にあったが、つねににぎわいを見せていた。
記者が訪れたのは、冷たい雨が振り注ぐ寒い日だった。こんな日でも、喫煙者たちは外で一服しているのだろうか。外に出てみると、喫煙所があるはずの場所に、「敷地内・庁舎内全面禁煙」と書かれた貼り紙が貼られたポールが設置されていた。
さらに奥に進んでみたが、同じ貼り紙が柵に貼られているのみだ。見渡しても喫煙所はどこにも見当たらない。
来た道を引き返し、職員に尋ねてみると、外の喫煙所は今年に入ってから撤去されたという。筆者の後にやってきた男性も、同じように職員に喫煙所の場所を尋ねていた。
職員によると、愛煙家たちは日比谷公園の喫煙所に行くようだ。しかし、あいにくの空模様もあって、男性は「日比谷公園まで行くのは……」とためらう様子だった。