政府の2021年度「成長率予測」はなぜ低いのか 衆院解散と成長見通しの間の「ある関係」

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第2次安倍政権になって、衆院総選挙は2014年12月と2017年10月に行われている。衆院解散の大義名分として安倍首相は、2014年12月選挙では消費増税の延期、2017年10月選挙では消費増税の使途変更を掲げた。

憲法の解釈は別として、解散時期を決めることは「首相の専権事項」といわれる。衆院議員の任期は4年だが、参議院と違って解散総選挙の時期を選べる。

その際、考慮されるのは、解散の大義名分だけでなく、景況もある。景況が良いと、有権者は政権与党を好意的に評価しがちで、与党が選挙で勝てる可能性が高まると考えられる。

日本では景気が良い時期の選挙が多い

選挙の時期と景況について、経済学では「政治的景気循環」の文脈で議論される。ただ、選挙の時期に景気がよくなるのか、景気がよい時期を選んで選挙をするのかは自明ではない。

選挙を行おうとする時期に景気がよくなるように経済政策を駆使するという論理もあるし、政策で景況を操ることは容易でないため、景気がよい時期に政権は選挙に打って出ようとすると解釈する論理もある。

イギリスの下院と違い、日本では解散時期を政権側が前もって予告することはほぼなく、急に決めることが多い。したがって、政策で誘導して選挙の時期に景気をよくするというより、景気がよい時期に選挙をする傾向が強い。

とはいえ、衆院議員の任期中、最も景気がよいのはどの時期かを政権がうまく予見できるわけではない。最も景気がよい時期に、別の理由で解散総選挙ができないこともある。

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