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政府の2021年度「成長率予測」はなぜ低いのか 衆院解散と成長見通しの間の「ある関係」

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  • 土居 丈朗 慶應義塾大学 経済学部教授
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そうなると、任期中最も景気がよい時期ではなくとも、景況が悪化する前に解散総選挙に打って出たほうがましという判断もありえよう。この観点から中長期試算をみると、衆院の解散時期と名目成長率の見通しは、見事に符合する。

名目成長率は、2014年1月の中長期試算(現在の成長実現ケースに対応する経済再生ケース)では2014年度に3.3%、2015年度に3.4%とされていた。ところが、2014年7月の中長期試算では、2014年度は3.3%のままだが、2015年度は2.8%と下方修正され、2014年度よりも低下するとの結果が示された。その後、2014年12月に衆議院総選挙が行われた。

2017年10月の総選挙のケースも似ている。2017年1月の中長期試算(経済再生ケース)では2017年度に2.5%、2018年度に2.9%とされていたが、2017年7月の中長期試算では、2017年度は2.5%のままだが、2018年度は2.5%と下方修正された。

衆院総選挙が行われる「ある法則」

つまり、年央の中長期試算における翌年度の成長率が、年初の中長期試算におけるその成長率よりも下方修正され、かつ当年度の成長率以下になると、その年内に衆院総選挙が行われている。

つまり、翌年度に成長率が当年度より鈍化する見通しになっていると、翌年度の景況感は当年度より悪くなる可能性が高くなり、解散総選挙は翌年度ではなく、当年度にしたほうがましだという判断に傾く。

より厳密にいえば、前述2条件に、翌年度の実質成長率も当年度より低下する見通しになるという条件も加わる。名目成長率だけをみると、2015年も前述2条件を満たすが、実質成長率でみると、2015年度に0.9%、2016年度に1.2%と上昇する見通しとなっていた。実際に2015年に衆院総選挙は行われていない。

ただ、2020年1月試算のように、翌年度よりも翌々年度の名目成長率が低下する見通しを示したことが1度だけある。それは2016年1月試算である。

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【2016年に衆院解散があったかもしれない】

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