コロナウイルスの「国内感染」はもはや免れない SARSやMERSと比べて感染力は?致死率は?

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スーパースプレッダーがすでに存在している可能性も示唆されている。中国内の1つの病院で、15人の医療従事者が感染したケースだ。そのうち14人は、1人の患者から感染したと「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」で報じられている。これが真実であれば、その1人はスーパースプレッダーに他ならない。

感染力は、公式発表より実際には高い可能性がある。

致死率に関しては、新型コロナウイルス感染症は上記の数字から計算せざるをえないが、1月28日の時点で2.2%となっている。他方、SARSは9.6%である。また、MERSに関しては、昨年11月の時点で感染者数858人、死者2494人で、致死率は34.4%に上る(今も終息宣言は出ていない)。現時点の致死率を見る限り、新型コロナウイルスの毒性の強さについては、過度に心配する必要はなさそうだ。

では、どのような人が死に至るような、重篤な症状に陥るのだろうか?

健康な成人でも重症化する「サイトカインストーム」

当初は、入院が必要なほどに重症化するのは、高齢者や糖尿病、高血圧など基礎疾患のある人とされていた。要するに免疫力が低下している人々だ。当然、油断は禁物である。

ただ、医学誌『The Lancet』に1月24日に発表された論文では、武漢での流行初期の入院患者41人のうち、25~49歳が約半数(20人)を占めていた。25歳~64歳で見ると、実に8割(33人)を占めた。また、感染前に基礎疾患を患っていたのは3割(13人)で、ほかは健康だった。肺炎は100%発症するが、発症後しばらくは軽症で、呼吸困難に陥ったのは8日後、という例が多かった。

基礎疾患のない成人の死亡例も出ている。中国で1月23日に亡くなった男性は39歳、持病はなかった。

基礎疾患のない成人が急激に症状を悪化させてしまう現象の1つに、「サイトカインストーム」がある。

ウイルスなど外敵が体内に侵入してきた際に、白血球が攻撃開始にあたって上げる“のろし”が、サイトカインと総称されるタンパク質だ。これにより体は白血球をさらに動員し、体温を上げてウイルスの増殖を抑えたり、咳や鼻水を生じさせたりと、さまざまな反応を起こす。

このとき、一部の人では、その反応が強く出すぎて自身の体に大きなダメージを与えることがある。それがサイトカインストームである。はしかやおたふくは子どものうちにかかると軽く済む、というのはよく知られた現象であり、イメージしやすいはずだ。ほかにも、H7N9インフルエンザやエボラウイルス感染症などで、サイトカインストームが重症化や死を招くことが知られている。

上記39歳男性の死亡原因が、サイトカインストームによるものかはわからない。しかし今後の感染拡大に伴い、健康な成人が罹患し、サイトカインストームにより重症化する例も増えてくるだろう。

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