「職場でのいじめ」を回避するための2つの方法 いくら自分が正しくても「正攻法」はダメだ

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このように、職場で扱いづらい人は、自己中心的な傾向が強く、人に配慮しないのに、自分は気遣ってもらいたいというワガママな性格傾向にあります。人とうまく関係をつくれない一方で、他人から認められたい「承認欲求」が強いために、いろいろなところで人間関係のトラブルを引き起こしやすいです。

さらに上司がいれば、適切に対処してもらいたいところですが、現実にはなかなかそうはいかないこともあります。上司自身も扱いに困っていたり、職歴が長く職場に君臨し、上司さえも掌握しているケースもあるからです。

イヤな相手とは少し離れるだけでも効果的

●回避の仕方2

基本的には、物理的距離をおくことが、対応策としては望ましいのですが、そうは言っても、仕事をすぐに辞めるわけにもいきません。よく、大人なんだから、そんな人がいる職場から離れるために、さっさと仕事を辞めてしまえという人がいますが、仕事だからこそ簡単に辞められません。生活もあるし、どんな雇用形態であったとしても、今と同じような条件で働ける場所が見つかるとは限らないのです。

ですから、その状況を少しでも変えるためには、事務作業なら席替えを申し出る、現場なら担当の場所を変えてもらうなどを申し出て、イヤな相手と少し離れるだけでも効果的です。直接の理由が言いにくい場合は、「エアコンの風が直接あたってつらい」「業務の効率化を図るために」などの理由をつけて、上司に提案するといいでしょう。シフト制なら、「家の事情で」と、シフトができるだけ合わないような工夫をすることもよいかと思います。

それでも難しい場合は、あまり我慢しすぎるのも、良しあしです。「仕事だから」で割り切っているつもりでも、逃げ場がないのが職場です。自分が感じている以上に、心身に負担がかかっていることもあるので、注意しましょう。自分で抱え込まずに、信頼のおける上司や人事・総務、もしくは相談窓口に相談することをお勧めします。その際、冷静に問題点を指摘することが大切です。感情論で「いじめを受けている」「あの人が嫌」と言うだけでは、ただのわがままと取られてしまう可能性があります。

「何にどう困っているのか」を具体的に伝えるほか「仕事を進めていくうえで、どんな悪影響があるのか」という客観的な事実を伝えることで、理解が得やすくなります。ストレスを溜め込まず、自分自身を守るためにも、職場の人間関係は一定の距離を保ちつつ、構築を図ることが重要です。トラブルに巻き込まれそうなときは、早めに冷静に対処するよう心掛け、被害を最小限に食い止めるようにしていきましょう。

大野 萌子 日本メンタルアップ支援機構 代表理事

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おおの もえこ / Moeko Ohno

法政大学卒。一般社団法人日本メンタルアップ支援機構(メンタルアップマネージャ資格認定機関)代表理事、産業カウンセラー、2級キャリアコンサルティング技能士。企業内健康管理室カウンセラーとしての長年の現場経験を生かした、人間関係改善に必須のコミュニケーション、ストレスマネジメントなどの分野を得意とする。現在は防衛省、文部科学省などの官公庁をはじめ、大手企業、大学、医療機関などで年間120件以上の講演・研修を行い、机上の空論ではない「生きたメンタルヘルス対策」を提供している。著書に『よけいなひと言を好かれるセリフに変える言いかえ図鑑』(サンマーク出版)がある。

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