第3回 アスリートの人気ブログが炎上した理由

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「人のうわさも75日」ではない

投稿した文章や画像は半永久的に残る。
 「もはや『人のうわさも75日』ではない」と述べるソーシャルメディアの専門家もいる。
 怒りに任せた投稿による失態を犯さないため、SNS上においてもアンガーマネジメントを活用したい。

 まず、簡単に行えるのが、第2回目に記した「ディレイテクニック」だ。
 ツイートする前に6秒考えてみよう。
 同僚や家族が読んで気分を害さないか? 
 誰かを傷つける内容でないか? 
 政治や宗教がらみではないか?
 6秒待てれば冷静さがよみがえり、相手と論争するよりも「スルーしたほうが賢明」との判断が生まれるかもしれない。

また、アンガーマネジメントには、「タイムアウト」というテクニックがある。
 議論伯仲のときには、「一歩も譲れない」などと考えてしまいがちだが、意地を張りすぎず、怒りをエスカレートさせないようにしたい。いったん頭を冷やすのだ。頭が冷えれば、興奮しすぎた自分を客観視できる。
 タイムアウトをしている間にやってはいけないことがある。それは「飲酒」だ。
 なぜなら、アルコールによって理性のコントロールがしにくくなるし、改めてSNSでのやり取りを振り返って、怒りの強度が増しやすくもなるからだ。
 杯を重ねるごとに怒りを強めては本末転倒だし、その後、酔った勢いに任せたツイートをして、一層深刻なトラブルを引き起こしてしまうかもしれない。
 昨今「SNS疲れ」という言葉が出るくらい、SNSに心を支配されて疲労困憊に陥る人がいる。
 疲弊はイライラにつながり、イライラは怒りとなって攻撃を生む。
 疲れていると感じたら、しばし電源をオフにすることをお勧めする。
 それが、一番の怒りの抑止かもしれない。
 詳しくは、拙著『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』をご一読いただきたい。

小林 浩志 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター

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こばやし こうじ / Kobayashi Koji

 

青山学院大学大学院法学研究科修了(法学修士)。
横浜市戸塚区で社会保険労務士・行政書士の事務所を経営する傍ら、社会人大学院でパワーハラスメントの法的・実務的対策を研究。パワハラ防止策の有効なツールとしてのアンガーマネジメントを数多くの企業、学校、病院等へ紹介している。
・特定社会保険労務士、行政書士、第一種衛生管理者
・公益財団法人21世紀職業財団認定セクハラパワハラ防止コンサルタント(客員講師)
・一般社団法人 日本アンガーマネジメント協会認定ファシリテーター
・日本スポーツ法学会会員
著書に『パワハラ防止のための アンガーマネジメント入門』(東洋経済新報社)、『現場監督のための 早わかり労働安全衛生法』(共著、東洋経済新報社)などがある。

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