外国人が「日本酒」に感じるただならぬ魅力 蔵元を訪れる人も意外と少なくない

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――外国の方に伝えるべき「日本酒の魅力」とはどんなものでしょうか。

日本酒のよさは、料理一皿ごとのペアリングというより、料理と人が集う空間に合う酒・酒器・温度を好みに応じて選べる多様性だと思います。その一つひとつに店がこだわれば、「ここにしかない体験」を提供できる。海外旅行客は、時間とコストに制限があるなかで、みなそうした体験を求めています。たとえ1軒の店でも、体験が素晴らしければ、「日本酒ってすごい!」という気持ちになってもらうことだってできますよ。

提供する側が興味を持つことが大事

JAPAN CRAFT SAKE COMPANY 広報 日本酒コンサルタント レベッカさん

――最近、外国人の日本酒への関心が高まっていると感じますが、レベッカさんはどう感じていますか。

和食が無形文化遺産に登録され、世界的に和食ブームが続くなかで、それに合うお酒としての日本酒の存在があります。他方、「サステイナブル」という考えに代表されるように、世界の食に対する考え方も変わりつつあり、より体にやさしいものが求められている。日本酒は「ナチュラルプロダクト」として、和食とのハーモニーがあり、かつ体にもやさしい。注目が集まるのもうなずけます。

――では、外国人ゲストに日本酒を提供する際、飲食店の方はどんなことを心がけるとよいでしょうか。

お酒の世界で輝くのは、それをつくる蔵元さんと飲むお客さんですが、飲食店は両者の“アンバサダー”として、日本酒の感動体験をつくるという重要な役割があります。1杯目はフィードバックをもらい、2杯目で調整するなど、なるべく双方向のコミュニケーションを。

レベッカ・ウィルソンライさん ニュージーランド出身。IWCSAKE部門審査員などを務め、日本酒文化の普及と酒蔵のブランド力強化などに取り組む。現在、中田英寿氏率いるJAPAN CRAFTSAKE COMPANYの海外マーケティング担当として、さまざまな仕事に従事。ドキュメンタリー映画『カンパイ!日本酒に恋した女たち』の主人公の1人として出演。

また、日本に来てせっかく出会った日本酒を覚えて帰ってもらうためにも、ゲストに銘柄と造られた地域を伝えてあげることも大切です。そうすることで、リピートしたり、日本酒の世界を調べるきっかけづくりができます。

――その「日本酒の魅力」をより正しく伝えていくためには、どんなことを意識すればいいのでしょうか。

私自身、最初に住んだ静岡で、歓迎会で出てきた地酒に感動し、日本酒が好きになり、その土地が好きになり、人生が変わりました。日本酒は「地域の文化を体現したもの」ですから、お酒を提供することは、日本各地の文化を伝えるきっかけにもなります。

もしかすると、外国人旅行者が日本で地酒を飲み、「その酒がつくられた地域に行きたい」という思いを持つかもしれない。あるいは、私のように人生を変えてしまうかもしれない。提供する方々が日本酒にまず興味をもって、心から「外国の方にこの魅力を伝えたい」と思ってお酒を出していれば、そんなことも起こるでしょう。それは、とてもすてきなことだと思います。

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