外国人が「日本酒」に感じるただならぬ魅力 蔵元を訪れる人も意外と少なくない

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ですから、提供したお酒のラベルは、ぜひ、しばらく机に置いておくなどして見せるようにしてください。もし、その銘柄が好きになったとき、スマホで撮影した写真が残っていれば次に日本酒を飲む機会につながります。

5. スマホアプリを会話のきっかけに使ってみるのもアリ

いまや、世界中のどこでもスマホから欲しい情報にアクセスできる時代。コミュニケーションに自信がない、思うように接客に時間がかけられない、というときには、スマホのアプリに力を借りてもいいと思います。

例えば、「Sakenomy」というアプリならラベルを撮影するだけで、味わいや蔵元、レビューなどの情報が、日本語だけでなく、英語や中国語でも見られるというものです。「日本酒のことを知りたい」と思っている外国人にアプリを案内して、コミュニケーションを取るきっかけづくりをするのも、いいですよね。

スペックの説明は誤解を招きやすい

6. 「流行り」を理由に、ワイングラスを使うのはNG

最近、ワイングラスで日本酒を提供するお店が増えてきました。ところが、海外のゲストからしてみれば「徳利やお猪口、升などを使って日本酒を飲む」ことも、日本文化を楽しむ1つの要素に感じる方は、多いのです。一概に「使うな」という意味ではありません。

ワイングラスの形状がそのお酒の魅力を引き出す、という強いこだわりがあるのならむしろ積極的に使うべきです。日本酒は、酒器や温度など、提供の仕方にも多様性がある。ぜひ、店のこだわりの提供方法を貫いていってください。

7. 「スペック」ではなく味わいやつくり手のことを伝える

ここでいう「スぺック」とは、“精米歩合”や“日本酒度”、“米の品種”などのこと。日本酒を語るうえではいずれも大事な要素ですが外国の方にはわかりづらくもあります。

とくに“精米歩合”を説明すると、「磨けば磨くほど、雑味が取れてよい酒」という誤解が生まれやすいようです。それよりも、そのお酒がどんな味わいで、どういう料理に合い、どんな人たちがつくっているのかを説明するほうが、そのお酒に対するイメージも湧きやすくなるのではないでしょうか。

「ヒトサラ」編集部

グルメサイト【ヒトサラ】から誕生したWebマガジン。ハズさない店の情報、話題のシェフのインタビュー、食の未来の話など、いろいろな視点で、新たな食の楽しみ方を発信しています。

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