トヨタ「新型ヤリス」乗ってわかった最新進化 開発陣が明かした強い「こだわり」とは?

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「ファーストカーとして成り立つクルマ、コンパクトカーの物差しを覆すクルマ」(開発責任者である末沢氏の言葉)であるためには、安全性能も大切だ。

新型ヤリスのプロトタイプの後ろ姿(筆者撮影)

「5ナンバーサイズは絶対条件。そのうえで快適な車内空間を作り出すために座る位置を外側へ10㎜移動させています」と語るのはボディ設計担当者。初代ヤリス(日本名:ヴィッツ)が登場した1999年から法規や衝突安全関連のアセスメントは大幅に強化されている。新型ヤリスでは当然、それに応じながら、同時に軽量化も求められる。ボディ設計が置かれる立場は相当厳しかったようだ。

この点、ボディ設計担当者は、「衝突安全性能を確保するため100g分のボディ強化を行ったら、ほかで100g軽量化する、こうした地道な作業を繰り返し軽量化と衝突安全性能を両立させました」と語る。

交差点対応機能を導入

さらに先進安全技術の分野でも新型ヤリスは一歩進んだ。衝突被害軽減ブレーキをはじめとした先進安全技術群である「Toyota Safety Sense」には、トヨタ初の交差点対応機能が織り込まれた。トヨタによると、最近では交差点においても一定数の事故が発生しているため、新型ヤリスでは交差点対応機能の導入を決めたという。

新型ヤリスのプロトタイプの前で、開発責任者の末沢泰謙氏(左)と筆者(筆者撮影)

作動にはいくつか条件があるというが、基本的には新型ヤリスが交差点内に進入する際、車速域の高い対向車との衝突危険性が高まった場合にシステムを介入させて事故を抑制する。この際、自車の走行軌跡予想だけでなく、迫り来る対向車の走行軌跡予想もリアルタイムで行い続け、対向車の軌跡に自車が入る前にブレーキ制御で停止させる。

これまで先進安全技術の多くは高額な上級モデルから導入されてきたが、新型ヤリスでは車体そのもののプラットフォームだけでなく、こうした先進安全技術などを搭載する電子プラットフォームも新規開発を行ったため、トヨタ初の最先端技術が搭載できたのだという。

注目の新型ヤリス。ファーストカーとしての立ち位置を明確に、2月10日発売がスタートする。価格は139万5000円からだ。

西村 直人 交通コメンテーター

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にしむら なおと / Naoto Nishimura

1972年1月東京都生まれ。WRカーやF1、さらには2輪界のF1と言われるMotoGPマシンでのサーキット走行をこなしつつ、4&2輪の草レースにも精力的に参戦中。また、大型トラックやバス、トレーラーの公道試乗も積極的に行うほか、ハイブリッド路線バスやハイブリッド電車など、物流や環境に関する取材を多数担当。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)理事。日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員。(財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員。(協)日本イラストレーション協会(JILLA)監事。★Facebook「交通コメンテーター西村直人の日々

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