現在、自動運転技術はSAE(アメリカ・自動車技術者協会)が定めた自動化レベル0~5の6段階で枠組みされていることはご存じのとおり。この枠組みはアメリカだけでなく日本、ヨーロッパ、そして各国でも使われている。
また、自動運転技術は、大枠として乗用車/商用車/MaaSの3領域での開発が進む。ともに協調領域と競争領域を伴いながら、各自動車メーカー、サプライヤー企業、そして関係各所との調整が行われ、実用化に着実に近づいている。
正式名称を自律自動運転とする自動運転技術の実用化とは、クルマだけでなく交通インフラへの実装がなされ、それらが普及することで成立していくわけだが、われわれに身近な乗用車に比べ、商用車やMaaSの自動運転技術となると距離がある。
MaaSの領域は、例えば実証実験や、この1月にアメリカ・ラスベガスで開かれたCES(世界家電見本市)でもコンセプトカーが多数出展・紹介されていることからいくぶんイメージしやすい。対して、商用車となると乗用車向けとどこが違うのか正直なところわかりづらい……。そこで本稿では、その違いをわかりやすく解説したい。
自動化レベル2の技術を標準装備
2019年末、ダイムラートラックAGから自動化レベル2の技術を標準装備した大型トラックが発表され、日本/ヨーロッパ/北米の各地域でほとんど同時期に発売された。
聞き慣れないダイムラートラックAGとは、旧ダイムラーAGが前身。その旧ダイムラーAGでは2019年11月に大規模な組織改編が行われ、メルセデス・ベンツAG/ダイムラートラックAG/ダイムラーモビリティAGという3つの企業体として分社法人化された。メルセデス・ベンツAGでは主に乗用車を、ダイムラートラックAGでは主に大型バス&トラックを、そしてダイムラーモビリティAGではMaaSを対象とした新しい乗り物全般を守備範囲とする。
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