今回は、その自動化レベル2の技術を実装した3モデルにそれぞれ試乗。まずはスーパーグレート2019年モデルから。
従来型である2017年モデルをベースに、自動化レベル2技術の要である「アクティブ・ドライブ・アシスト(ADA)」、衝突被害軽減ブレーキである「アクティブ・ブレーキ・アシスト5(ABA5)」、ロー&ハイを自動で切り替える「インテリジェント・ヘッドライトコントロール」、標識を認識してメーター内に表示する「交通標識認識機能」の4つの技術が加えられた。
注目はADAだ。先のアダプティブ・クルーズ・コントロール機能(三菱ふそうでは「プロキシミティ・コントロール・アシスト(PCA)」と呼ぶ)に、車線逸脱抑制機能と車線中央維持機能を追加したADAにより今回のレベル2を達成した。
眼にあたる車載センサーは、距離測定能力に優れるミリ波レーダー(79GHz帯)と、形態知覚能力に優れる光学式単眼カメラ(扇角120度)で、それらの情報を融合させたセンサーフュージョン方式によりシステムの精度を向上させている。
直進安定性が向上
試乗してすぐに従来型との違いを体感。車線逸脱抑制と車線中央維持を行うため、ステアリング操舵用としてボール&ナット式油圧ステアリングの頭上に電動モーターを装着しているのだが、路面の凹凸によるステアリングのブレ(キックバック現象)が大きく減少している。これは、電動モーターが路面からの入力に対する反力を生み出し、打ち消そうとしているためだ。
筆者は以前、大型商用車の開発業務を行っていたのだが、長距離テスト走行となると、そのキックバックが地味に身体の疲労度を高めていくため、いかにしてこれを取り除くことができるのかが課題の1つとされてきた。
スウェーデンの商用車メーカー「ボルボ・トラック」が販売している大型トラック「FH」シリーズにも、同じく電動モーターを用いてキックバックを抑える機能「ボルボ・ダイナミックステアリング」(自動化レベル2の機能はない)が装着されているが、いずれにしろステアリング機構に電動モーターが付いたことで、直進安定性が高められた。
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