ダイムラートラックにみる自動運転の最新進化 自動化レベル2を標準装備した実力とは?

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ダイムラートラックAGは、約10万人の従業員を支える巨大な企業。ドイツに本拠地を置くメルセデス・ベンツの大型トラック部門を筆頭に、日本とアジア地域では三菱ふそうトラック・バス、北米でのフレートライナーなどが傘下に収まる。

今回発表された自動化レベル2技術は、メルセデス・ベンツ「アクトロス」、三菱ふそう「スーパーグレート」、フレートライナー「カスケディア」の大型商用3モデルに搭載されている。

このうち“世界で初となる自動化レベル2技術を実装した量産大型トラック”がアクトロス。追って2019年10月23日にはスーパーグレードにも搭載された。カスケディアの発売は2020年1月からで、事業者の手に渡るのはもう少し先になる。

前後に加え左右方向の運転アシスト

3モデルに搭載されている自動化レベル2の技術とはどんなものなのか? 冒頭に“乗用車/商用車/MaaSの3領域で開発が進む”としたが、自動化レベルが6段階であることや、搭載した技術のできること、できないことなどの定義にしても基本的には同じ。よって、3モデルの自動化レベル2技術は、乗用車での自動化レベル2と同じ効果を狙った技術であることがわかる。

アクトロスで自動化レベル2の技術を体感する筆者(筆者撮影)

改めて自動化レベル2を簡単に説明すれば、前後方向に加えて左右方向の運転アシストを同時に行う技術だ。具体的にここでの前後方向は、アクセルとブレーキ操作を一定の範囲内でシステムが行うアダプティブ・クルーズ・コントロールが担当し、左右方向は車線からはみ出さず、さらに車線中央付近を保つようにステアリングの操作支援を行う車線逸脱抑制機能/車線中央維持機能が担当する。

ちなみに今回の3モデル、搭載技術はすべて共通。各国各地域に合わせたプログラムの調整などは行っているが、同一の車載センサーでシステムを動かし、アダプティブ・クルーズ・コントロールと車線逸脱抑制機能/車線中央維持機能を連携させている。

次ページ実装した3モデルにそれぞれ試乗してみた
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