――どうして、ひまわりの受信機を買おうと思ったんですか?
気象のデータが好きなんです。ひまわりもある意味データです。これを手元に置く方法はないかなと思っていたときに、たまたま広告を見つけたんです。まず資料を取り寄せて、かなり高いことがわかりました。それから頑張ってお金をためて。発注した後は、もうすごかったですよ。
メーカーの人にとってみれば、個人でこんなものを買う人がいること自体、ありえないんですよね。営業の人が接待してくれて。「個人で買ったのはあなたが2人目です」と言われました。
――そんな巨大な物を家に設置するなんて、家族に反対されませんでしたか?
気象や地震に関しては、こいつは異質だということを親は知っていたので理解してくれました。10年間、毎日気象観測をやっていましたから。雨量を測るバケツを外に置いて、雨が降ると夜中でもくみに行って何ミリ降ったとか記録する。気温計を外に置いといて、自動記録なんてできないので、寒い中それを読み取りに行く。あとは雪が降ったら積雪量を測るとか。
――数字というか、データに対して、尋常ではない熱意があるんですね。
家にも資料がいっぱいありますが、読み物はほとんどなくてデータばかりです。地震、台風、大雪などのニュース映像も残しています。30年分ぐらいあります。高校のときからそんなことをやってるんですよ。新聞は、1987年ぐらいから残っています。全部、いつか役に立つと思ってやっていたんです。ひまわりもそうです。ある意味、役に立ってよかったです。
仕事は楽しいし、ありがたい
――その集めたコレクションというか資料は、いま、どう役立っていますか?
当時の報道を見ると、本やデータでは出てこない、もっと細かいところがわかります。当時の報道の仕方は、当時の社会の関心の持ち方そのものなんですよ。
阪神・淡路大震災のときだったら「南海トラフ地震の前兆か」とか、「高速道路が倒れたけど、ほかでは大丈夫なのか」とか報道されています。「復旧までどれくらいかかった」という情報も参考になります。当然、毎回同じになるわけではないですが、過去はこうでしたと話せます。
――特技を存分に生かせていますよね。やはり、仕事は楽しいですか?
楽しいです。楽しいとともに、ありがたいと思っています。いつも事あるごとに言うんですけど、この会社に入っていなかったら、ただの変わった人じゃないですか。本当に思うんですよ。あのとき、たまたまかけた1本の電話でウェザーニューズとの縁ができた。このことをすごくありがたいと思っています。
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら