「最高の知性」と目される男が読む世界情勢 米中冷戦の鍵を握る金融テクノロジーとは?
GAFAの台頭をなぜ予測できなかったのか?
――『スクエア・アンド・タワー』では、2つの顕著な「ネットワーク化時代」があると書かれています。第1は15世紀後半から18世紀まで続いた印刷技術の発明と発展であり、そして第2は、まさに今、テクノロジーの発展により1970年代から始まっていると。第1と第2のネットワーク化時代の類似点、相違点は何でしょう。
ネットワークとヒエラルキーの問題について最初に考え始めたときに気づいたのは、ヨーロッパで広まった印刷技術の時代に戻らなければならないということでした。印刷機は最もインターネットに類似しています。
もちろん、その間に電報や電話、ラジオ、テレビなど、さまざまな情報技術が発達していますが、これらはとても簡単に集権化できます。しかし印刷機やインターネットは基本的には分散型ネットワークで、中央での管理は不可能です。
したがって予測不可能なことが起きる。分極化の時期、フェイクニュースが簡単に広まるなどといった混乱や、権力の階層構造に疑問が呈される時期が存在するのです。これが類似点と言えるでしょう。
一方、最大の相違点は、印刷技術が真に集権化されることはなかったという点です。インターネットはすでに、広告や商取引によって集権化されています。
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