元保険営業マンが「スシロー社長」になれた裏側 堀江新社長が明かした意外すぎる入社の経緯

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――社長として、まず何に取り組んでいきますか。

今はちゃんと仕組みが回って、お客さんにたくさん来ていただいています。でも店内調理も多く、店によって品質にばらつきが出る。なぜそれが起こるのか。それはやっぱり基本が教えられないまま、新しい従業員がどんどん入ってきている。やはり、このタイミングで「基本の徹底」ということを、改めてやっていきたい。

堀江陽(ほりえ よう)/1970年3月生まれ。保険会社勤務を経て、2000年にあきんどスシロー入社。仕入部長や商品部長、新業態推進室長などを経て、2019年10月にあきんどスシロー代表取締役社長、スシローGHD取締役常務執行役員(撮影:尾形文繁)

――競合の回転ずしチェーンからは「スシローの期間限定キャンペーンはすごい」との声をよく聞きます。

最近は月に2回のキャンペーンを実施しています。1キャンペーンで大体15~20品を提供します。仮に15品としても、月に30品、年間で360品。仕入れも大変ですし、それをハンドリングする店舗も大変です。タッチパネルへの情報配信など、いろんなものが絡み合っている。会社が一丸とならないと、こうしたキャンペーンはできません。

他社がまねをした商品を出すと、(スシローGHD社長の)水留からは「まねされるお前が悪い」と怒られます。まねされたくなかったら、まねされないことをすればいい。そういう意味で、会社全体が同じ方向を向くことでできる月2回のキャンペーンは差別化につながっていると思います。

地域限定メニューがあってもいい

――堀江さんが社長になったことで、スシローのすしも変わりますか。

スシローは500店余りのチェーンになりました。当然、日本全国で同じものを売り続けるという形をやっていきますけど、1つやりたいと思っているのは、地域限定みたいなメニューがあってもいいかと思っている。

魚の獲れる量が変わってきている。それに応じてスシローも売り方、売る場所を変えてもいい。500店規模の量は確保できないけど、一定の量があればある地域だけで提供する。ハンドリングは難しいとは思うが、(仕入れ畑の)私がトップになったので、そのような対応ができると思う。こうしたチャレンジが新しい楽しさにつながっていく。

又吉 龍吾 東洋経済 記者

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またよし りゅうご / Ryugo Matayoshi

2011年4月に東洋経済新報社入社。これまで小売り(主にコンビニ)、外食、自動車などの業界を担当。現在は統括編集部で企業記事の編集に従事する傍ら、外食業界(主に回転ずし)を担当。趣味はスポーツ観戦(野球、プロレス、ボートレース)と将棋。

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