元保険営業マンが「スシロー社長」になれた裏側 堀江新社長が明かした意外すぎる入社の経緯
――商品開発にも携わったそうですが、思い入れのある商品はありますか。
これは私だけがやったわけではないですが、豊﨑と一緒になってやった「えびアボカド」ですね。当時、スーパーでアボカドをわさび醤油で食べるという店頭試食をやっていて、アボカドがはやり始めた時期でした。最初はアボカドなんて、と思ったのですが、あまりにも「アボカド、アボカド」って周りから聞こえてくるので、これは何か作るべきと思いました。
そこでアボカドを合わせる食材として候補に挙がったのが、マグロ、サーモン、火の通ったえびでした。どれも相性は悪くなかったです。でもえびとの相性は抜群でした。えびはあぶらがのっていないですよね。アボカドはあぶらがあるので、このコントラストがいいと感じました。あと、それぞれの食感が異なるのも、組み合わせとしてよかったと思います。
でも、えびにアボカドをのせるだけでは絶対に売れない。ボリューム感が必要と判断して、玉ねぎをどさっとのせて、そこにマヨネーズをかける。それにわさび醤油をかけると、なんともいえないうまさがありました。でも、えびアボカドを開発する1週間前は「あんなもんなあ」って言っていたんですけど(笑)。
GW前にレポート提出を命じられた
――さまざまな経験をして、今回、あきんどスシローのトップになったわけですが、どういう経緯で社長に就任したのでしょうか。
2019年のゴールデンウィーク前に、ホールディングス取締役陣の私、木下嘉人、新居耕平の3人に対して、(スシローGHD社長の)水留から宿題を出されたんですよ。「『社長になったら』という題名でレポートを書け」と言われたんです。
ゴールデンウィーク後に3人とも提出したら、「こんなんで社長任せられるか」って突き返されました。そんなことがあったので、自分たちが社長になるというのは現実味がなかったんです。私は「ずっとこの先も仕入れをやっていくんだ」と思っていました。結局、突き返されたレポートも再提出しなかったので(笑)。
――それでも2019年9月には堀江さんがあきんどスシローの社長になると発表されました。
言われた瞬間に「ああ、やるんだ」って思いました。それでも最初は実感がありませんでした。発表後、会社に社長就任祝いの花がたくさん来たんです。添えられたメッセージカードを見ると、取引先の水産会社の社長さんから「堀江さんでよかった」という言葉がありました。それを見た瞬間に、職責の重さを感じました。
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