スターウォーズ完結で暗黒面に落ちたのは誰か

「エピソード9」は歴代何位まで行けるのか?

しかし資本市場の期待に応えるには、いかんせん物語の数が決定的に足りなかった。そこでどうしたか。2009年に、膨大なアメリカン・コミックの権利を持つマーベル・スタジオを買収した。そして同社が保有する作品群から、『アイアンマン』や『アベンジャーズ』などのヒットを連発した。いや、しかし『アベンジャーズ/エンドゲーム』(2019年、27億9780万ドル)が、『アバター』(2009年、27億8967万ドル)や『タイタニック』(1998年、21.8億ドル)を抜いて歴代興行収入第1位だなんて、冗談にも程があると思うのだが。

こうしてみると、ディズニーがルーカスフィルムに投じた41億ドルはさほど高い買い物だとは思われない。テレビシリーズやテーマパークにグッズ販売、書籍に音楽と、さまざまな形態を使って、スターウォーズを「1粒で何度でも」味わうことができるからだ。

エピソード9は歴代何位まで行けるのか?

ちなみに現在、歴代興行収入トップ20作品のうち実に11本がディズニー映画である。そのうちディズニーらしいディズニー作品と言えば、7位の『ライオンキング』(19年、16.0億ドル)と16位の『美女と野獣』(17年、12.6億ドル)くらい。そして4位には『エピソード7/フォースの覚醒』(15年、20.7億ドル)が、13位には『エピソード8/最後のジェダイ』(17年、13.3億ドル)が入っている。今回の『エピソード9/スカイウォーカーの夜明け』は、果たして何位まで行けるだろうか。

さらにディズニー帝国のことであるから、たぶん数年の中休み期間をおいて、またまたスターウォーズのスピンオフ作品を作るのであろう。ハン・ソロやレイア姫にはもう会えないにせよ、C-3POやR2-D2は堂々と登場するのではないか。釈然としない気もするが、仕方がない。これぞ資本主義の原理というものである。長年のファンとしては、「これから先に作られるスターウォーズは別物」と考える方がよさそうである。

それはさておいて、これからの時代に画期的な新シリーズやキャラクターは、誰が生み出すのであろうか。若き日のジョージ・ルーカスは、今どこにいるのだろう。映画産業にはもはや期待が持てず、むしろこれからはネットフリックスなどの新しい業態が面白いコンテンツを生み出すのかもしれない。

 ちなみに日本映画の興行収入ランキングは、第1位の『千と千尋の神隠し』(01年)でわずか3億ドルに過ぎない。われらが「クール・ジャパン」とは、市場規模としてはまことにつつましいものなのである。それはまだ、彼らが暗黒面に落ちていない証拠であるかもしれないのだが(本編はここで終了です。次ページは競馬好きの筆者が競馬を予想するコーナーです。あらかじめご了承ください)。

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