2020年の日本経済が長期停滞から脱せない理由

経済理論軽視が安倍政権を揺るがす可能性

2020年度当初予算案では「過去最大規模」「100兆円台」といった言葉で財政規律の緩みばかりが指摘される。だがそうではないとの見方も(キャプテンフック / PIXTA)

政府から12月20日に2020年度当初予算が発表され、歳出規模は102兆6000億円となった。「過去最大規模100兆円台を超え歳出が膨らんだ」「財政規律に課題」などとメディアで報じられている。こうしたメディアの伝え方は果たして妥当なのだろうか?

2020年度の歳出総額は102兆6000億円だが、2019年度予算が101兆4000億円なので前年から約1.2%の増額予算である。まず、政府歳出が経済成長に及ぼす影響をみるために、名目GDP(国内総生産)と比較した伸び率を比較する観点がある。2013~2018年度の名目GDPは平均約プラス1.8%、そして政府は2020年度約プラス2%の名目経済成長を想定しており(これは相当楽観的だと筆者考えているが)、ほぼ変わらない。2020年度の歳出の伸びが名目経済成長率より低いので、政府歳出は経済成長率を抑制する方向に作用する可能性が高い。

より厳密に見るために、政府の税収の伸びと歳出の伸びを考える。2013~2017年度の名目GDPは平均約プラス2.1%、同期間に2014年度の消費税率引き上げ(5%から8%)の影響を除いて税収は平均約3.4%増えた。経済成長率よりも税収の増減率が大きくなるため、2020年度が政府の想定通りの経済成長率なら10月からの消費増税がなくても税収は3%以上増える。

2020年度予算は「かなりの緊縮財政」

少なくとも税収(2017年実績106兆8000億円、地方を含めた国全体ベース)がプラス3%以上増え、政府歳出(同121兆8000億円)がプラス1%程度であれば財政収支は改善する。これは、家計・企業などの民間部門から政府に対する支払いが増える緊縮財政である。

さらに2019年10月からの消費増税によって、教育費無償化などの家計への恩恵を含めても恒久的に家計に2~3兆円負担が増えると筆者は試算している。このため、2020年度の税収はさらに1~2%ポイント上乗せされる。この結果、税収と歳出のバランスでみると、2020年度はかなりの緊縮財政になるだろう(ただ、消費増税で経済成長率がゼロ%前後に落ち込むとみられ、実際の税収の伸びはプラス3%を大きく下回るだろう)。

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