「発酵食品」がいま再び脚光を浴びているワケ

ブームを支えるのは「健康効果」だけではない

飯尾醸造は明治26年創業の京都・宮津のお酢屋。無農薬の新米のみを使い、昔ながらの「静置発酵」で時間と手間をかけたお酢づくりをしている(写真:飯尾醸造)
日本の伝統的な食文化の1つである発酵食品が、なぜ、今ふたたび脚光を浴びているのか。
食環境ジャーナリストの筆者がその背景と現状に迫る。

健康食品として女性に注目される

発酵食品がブームと言われる背景には、次のようなことが大きく影響しているといえるだろう。

①マクバがん・レポート(アメリカで1977年に提出された健康調査報告)の「健康は食生活から」という提言が大きな話題となる。

②日本でも生活習慣病(がん、肥満、高血圧、糖尿病)の増大から健康づくりの方針が国でも打ち出され、「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動、2000年)、「食育基本法」(2005年)などが生まれる。

③腸の働きと腸内細菌の働きの科学的な見地の研究から、新しい発見が次々と発表される。さまざまな働きのある微生物が体や健康をつかさどっていることが注目され、腸内には千兆以上も細菌が存在しており、それがお花畑のように見えることから「腸内フローラ」と呼ばれ、腸の働きをよくする健康食が広がる。

④ユネスコ無形文化遺産に和食が登録(2013年)。伝統的な食が見直される。

⑤海外客の増加で日本食が注目(2018年の訪日外国人数は政府観光局調べで3119万1856人。日本らしいものを知りたい海外客が増える)。

本記事は『東京人』2020年2月号(1月4日発売)より一部を編集して転載しています(書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします)

⑥海外のシェフたちも日本食を学ぶようになり、フランスやニューヨークなどでも日本食や調味料が注目されるようになる。

⑦新しい食の産業として注目されるようになる(発酵食専門店や、発酵食の道の駅なども誕生)。

東京・表参道の美容室「RENJISHI」オーナー五十嵐憲生さんの話によると、最近は、ヘア・トリートメントに酒粕が入っているものがあるそうで、「ヘアを傷めない。ナチュラルで、アンチエイジング、健康志向の方々が使っている。そんな人たちに発酵食品は、とても人気です。ブームですねえ」と言う。サロンの待合には発酵食品を特集した雑誌も置いてある。

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