仕事道具を減らすと、集中力がみなぎる 【特別対談】土橋正×本田直之(下)
土橋 ジェットストリームは、私も使っているよ。最近では海外でも手に入りやすくなっているように思う。この前、上海に行ったら売っていたし。
本田 少し前から取材をする仕事が増えて、取材するときは、ジェットストリームとモレスキンのノートを使ってますね。あとは、署名するときにマーカーを使うくらいかな。
iPhoneとEvernoteをメインにした仕事術
土橋 まったくのゼロベースから企画を考えたり、アイデアを練るときには紙を使わないの?
本田 使わなくなりました。アイデアや企画をメモするのもEvernote。iPhoneのタッチスクリーンで「フリック入力」をすると、ストレスなくメモできるんですよ。さすがに原稿を書くまではいかないけれど、メモ程度なら十分いける。
土橋 紙と筆記具を使う利点はいくつかあると思うんだけど、まず、直感的にいろいろなものが書けるでしょ。デジタルデバイスに文字を入力するとなると、どうしても「フリック入力」などの変換が伴ってしまう。それで、私はいまだにアイデアや企画を練るときには、紙から離れられない。私の場合は、考えるときは直感性が欲しいので。
本田 確かに、iPhoneでフリック入力をするには、ある程度慣れる必要がある。慣れてしまえば、ほとんどストレスになることはないんですけどね。
土橋 そうすると、スケジュール管理もiPhoneがメイン?
本田 そうですね。手帳は使ってませんね。
土橋 タスクなんかも?
本田 iPhoneにもともと付随しているアプリでやってます。
土橋 確かに、スマホのスケジューラーとかは、ルーティンのスケジュール管理は便利だと思う。「毎週何曜日の何時には、これをしなくてはいけない」、といったスケジュールは、1度入力しておけば、何度も入力する必要がない。また、リマインダーも付いているので、つねに持ち歩いていれば忘れることも防止できる。
本田 タスクもリマインダーでわかるようにしています。
土橋 私は、ずっとスケジュール管理は手帳を使っているんだけど、手帳に書き込むことで、スケジュール全体を俯瞰して見ることができる、というメリットがあると思う。特に私が現在使っているマンスリータイプだと、ちょうどカレンダーみたいな感じになる。1カ月という長期のスケジュールが俯瞰できるのがすごく便利なんだよね。
私はスケジュール管理にも「直感性」を求めている。どういうことかと言うと、予定をチェックするときは頭の中で不要な「変換作業」はしないということ。カレンダーは、子供の頃から見慣れているので、見た瞬間に頭にスゥッと入ってくる。自分にいちばんなじんでいるツールを使うことで、予定を考えることそのものに集中できる。iPhoneのスケジューラーだと予定を俯瞰するのは難しいでしょ。その辺はどうなんだろう?