仕事道具を減らすと、集中力がみなぎる 【特別対談】土橋正×本田直之(下)

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土橋 乗り継ぎの時間変更まで自動対応してくれるのは、スゴイね。そうしたことから解放されれば、タップリと旅を楽しめるしね。

データ管理をアウトソーシングしてしまうという発想

本田 しかも、海外の時差がすべてコントロールされているので、乗り継ぎ便の変更などは、自分で時差を考えなくてもいいようになっている。あらゆる航空会社を横断して、最適な情報を引っ張って来てくれるので、僕にとってトリップイットは、優秀な秘書のような存在。今では、これがないと移動ができないくらいになっていますよ。

土橋 ひとつの予定が狂ってくると、時差などがあるから自分でやり直す必要があるけど、アプリは自動でやってくれるんだね。

本田 もうひとつ、最近気に入っているアプリがあって、それはiPadのアプリなんだけど、スクリーンに直接手書きでメモを書くことができるツールアプリ。指先でタッチスクリーンをなぞると、図になったり、文字になったりするのです。これで、書店に置く自分の本のPOPを書いたことがある。

土橋 ほんとに進んでいるんだね。でも、そこまでiPhoneを使いこなすというか、頼っていたら、もしiPhoneをなくしたりしたら身動きできなくなるんじゃないの?

本田 そうですね。データはクラウドで保存されてはいるけど、実際にiPhone やiPadがなかったら、かなり大変なことになりますから。

ただ、iPhoneやiPadとアプリを使うことで、ルーティンなことを記憶する必要がなくなった。情報を整理する必要もなくなった。そうしたことは、すべてiPhoneがやってくれるんです。その結果、アイデアを考えたりする、つまりクリエーティブな作業に、より集中できるようになったのではないかと。

土橋 なるほど。私は、モノを減らすことでノイズを減らし、快適で仕事に集中する空間を作ってきたけれど、本田はデジタル化を進めることで、究極的にモノを減らしている。

土橋氏のデスク周り。ノイズを減らせば、仕事に集中できる

本田 移動しながら仕事をするというスタイルになっていますから。前回も言いましたが、作業するデスクもオフィスも要らなくなってきている。

土橋 それぞれの仕事のスタイルに応じたモノの減らし方があるね。

本田 ただ、バッテリーは大変ですよ。海外で使と、バッテリーの減り方が速いので。つねに気をつけておく必要があります。海外で使うときは、バッテリー付きのiPhoneケースを持って行きます。iPhone、iPad以外の仕事道具というと、このケースになるかな。物欲って、もうあまりないんだけど、バッテリーの切れないiPhoneがあったら、真っ先に買いますよ(笑)。

土橋 その点、文具はバッテリーの心配がないから安心だよ。

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