「文字が消せるコピー機」開発の裏側 東芝テックが来年発売へ

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東芝テックは11月12日、加熱すると用紙の文字や画像を消せるシステムを搭載したコピー機を発表した。文字を消す前に文書を電子化して保存・活用もできる「専用消色装置」も含めた複合機システム「Loops(ループス)」(=写真=)として、来年2月から国内で発売する。米国と欧州でも販売する方針で、環境意識の高い企業に売り込んでいく。

用紙の文字が消えるコピー機の実用化は世界初。文房具メーカーのパイロットコーポレーションと共同開発した専用の特殊なトナーを使用することで、熱を加えると画像や文字が消える仕組みとなっている。紙1枚を約5回使い回すことができ、用紙の購入・廃棄費用を大幅に削減できる。

使用後の印刷書類は、専用消色装置で文字を消す。消去前には文書をデータ化して保存・管理する機能にも対応しており、タブレット端末やPC上で書類を管理できる。さらに自動分別機能によって、再利用できない穴あき書類や消えない印刷物などは別のトレイに分類される。「消色」「電子化」「分別」と、かゆいところに手の届くようなエコ印刷システムとなっている。

この画期的なシステムはいかにして生まれたのか――。

環境負荷の低減が出発点

開発をスタートさせたのは2008年。将来を見越して、環境負荷をいかに減らせる商品を開発できるかがテーマに上がった。話し合いの末、出てきたのはトナーを消すというアイデア。どうやって消すか試行錯誤を続ける中で目に留まったのが、当時ヒットしていたパイロットの文字が消えるペン「フリクション」だった。

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