グーグル・ネクサス7、利益度外視の戦略は通用するか 国内でも熾烈な争い
「すばらしい製品が日本でも登場する」。そう言ってグーグルのエリック・シュミット会長は上着のポケットからタブレットを出し、高く掲げた。9月25日、グーグルは自社ブランドでは初のタブレット「Nexus7(ネクサス7)」の日本での発売を開始、都内で発表会を開催した。
ネクサス7の特長はアップルのiPad(アイパッド)にはない小型なサイズと割安な値段。ディスプレーの大きさは7インチでiPadよりも一回り小さく、340グラムと軽く片手で持てる。
価格は1万9800円でiPadの3万4200円よりも圧倒的に安い。だからといって安かろう悪かろうというわけではない。動画を見るには十分な高精細画面でカメラもついている。OSはアンドロイドの最新版、バージョン4.1・ジェリービーンを搭載。携帯電話回線には接続できないが、無線LANのエリア内でインターネットができる。すでに欧米、香港など9つの国と地域で販売されており、日本でも9月25日からグーグルのインターネットサイトで、10月2日からはビックカメラ、ヨドバシカメラなど家電量販店でも購入できる。
アップル追撃に採算割れの価格設定
日本の2011年度のタブレット出荷台数は243万台。アップルが第3世代のiPadを11年3月に投入したこともあり、前期比1.6倍のペースで増加している。市場シェアはiPadが56%を占め、2位のサムスン、3位のソニーは各8.5%程度。グーグルは、こうしたアップルの牙城を「小型」「低価格」を武器に一気に崩したい考えだ。