急激な「野球離れ」で球界が直面する厳しい未来 「野球離れ元年」から10年、2020年は節目の年に

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例えるならば日本野球界の各団体は「野球界」という同じ船に乗り合わせた「船客」だ。今のところ船客たちは他の船客にはほとんど目もくれず、自分の船室だけに補強をしたり、目塗りをしている。

しかし、嵐が来て船がひっくり返れば、どんな補強をしていようともすべての船客はもろとも遭難するのだ。自分だけが助かることはないのだ。

自分たちの船室のことだけでなく、船全体のことをみんなで考え、カジ取りしない限り、これから来る「嵐」を避けて船を保つすべはないのだ。

2019年11月末になってプロ野球のオーナー会議で、競技人口やファンを増やすため、全国各地にある独立リーグやクラブチームとの連携を検討することが発表された。関係者の話を総合すると、かなり具体的な話も出ているという。

ようやく船客は船室から出ようとしているのだ。こうした動きができるだけ速く、広汎に起こってほしい。

10年、20年先を見据えた取り組みが必要だ

「野球離れ」が進行して10年、競技人口やファンの減少は、子ども世代からじりじりと上昇している。昨年は高校の硬式野球人口が18年ぶりに15万人を割り込んだ。前年に比べて9000人も減った。この傾向は急には止まらない。高校野球からプロ野球へと「野球離れ」の影響は波及していくだろう。

2019年12月、新宿高校でのティーボール教室でバットを振る子ども(筆者撮影)

ビジネス的に言えば、マーケットの縮小が止まらない。しかしその対策は後手に回っている。

ここ10年ものあいだ、深刻な低落傾向が続いてきたのだ。それを取り戻すには10年スケールの時間がかかるはずだ。

新年早々不景気な話で恐縮だが、野球関係者は、自分たちがいる業界が不可避的にシュリンクすることを覚悟したほうがいい。その中で10年、20年先に再び明るい兆しが見えるように、先を見て、みんなで力を合わせて取り組みをすすめるべきだ。

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