ファミマが進める不振店舗「直営化」の真意 「再生本部」を設置の背景に出店戦略の変化
コンビニエンスストア業界大手のファミリーマートは、販売不振にあえぐ店舗のテコ入れを担う部署を新設する。「店舗再生本部」(仮)との名称で、2020年3月から始動する。
フランチャイズ加盟店オーナーが事業の継続を断念して、次のオーナーが見つからない場合、その店舗の経営を本部が引き継ぐ。本部が直営体制により店舗の課題を洗い出し、改善策を打ち出す。売り上げを立て直したうえで、再びフランチャイズ化するという流れだ。再建が難しいと判断した場合は、閉店も検討する。
機会損失の悪循環をどう断ち切るか
直営化すると、本部側の人件費や水道光熱費などの負担が増え、本部の収益性が低下するおそれがある。だが、ファミマの中出邦弘CFO(最高財務責任者)は「直営店が増えても、本部の費用が増えるわけではない」と話す。
1店舗を閉店して新店を開設すると、合計で約7000万円もの初期費用がかかり、本部にとって大きな負担となる。
一方、売り上げが低迷する店舗の加盟店オーナーは、ほとんどがオーナー負担となる廃棄ロスを防ぐために商品の発注量を抑えることが多い。すると店舗の品ぞろえが悪くなり、機会損失が生まれる悪循環に陥る。 そこで不振店舗を直営化して品ぞろえを充実させれば、売り上げが伸びるとファミマは見込んでいる。
直営化することで人件費などの費用はすべて本部側の負担となるものの、売り上げを伸ばして新たな加盟店オーナーと契約し、再びフランチャイズ化できれば、不振店舗を閉店して新たな立地で新店を出すよりも、本部の負担は軽いと算段している。
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