「転職で失敗する人」の意外に典型的なパターン 「お金」や「人間関係」が理由の転職は絶対NG
日本生産性本部が大卒、高卒などの新入社員約1600人を対象に行った2018年度の「働くことの意識」調査によると、「仕事をしていくうえで人間関係に不安を感じる」と答えた人が70.7%に上り、5年前よりも4.5ポイント増加した。一方で「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」と考える人は94.1%を数え、5年前より1.7ポイント増加した。
このように、若き新入社員は、新社会人としての新たな出会いに胸を膨らませると同時に、人間関係への不安も相当に抱えているようだ。
しかし、転職希望者はすでに社会人経験があるのだから、さまざまな人間関係の複雑さや難しさを乗り越えてきたとみなされる。「苦手な上司とどうやったらうまく付き合えるか」といった会社でのサバイバル術を心得ていて当然なのだ。いってみれば、世の中は十人十色の個性を持つ、変な人だらけだ。人間関係の困難が転職理由になるような人は敬遠されてしまう。
急成長中の会社には近づくな
急成長している会社を避ける――これも転職先を探す際の重要な留意点だ。売り上げを倍々ゲームで伸ばしているような会社は一見、羽振りがよさそうに見える。しかし、急成長したのであれば、急降下する可能性もある。一般論として、急成長企業は危険なので近づいてはいけない。
東京商工リサーチの調査によると、2018年に倒産した企業の平均寿命は23.9年で、前年より0.4年延びた。産業別の格差は拡大し、最も平均寿命が長かったのは製造業の33.9年、最も短かったのは金融・保険業の11.7年で、22年以上の開きがあった。
2018年に倒産した企業のうち、業歴30年以上の老舗企業の割合は32.7%、業歴10年未満の新興企業の割合は24.8%だった。日本には長寿企業が多いと言われるが、それでも多くの企業がわずか20年強で立ち行かなくなっている現実がある。
一時的なブームで成長を遂げても、いつの間にか業績が悪化しているという企業のケースは、数えきれないほど多い。売り上げ低迷、投資の失敗や後継者不足など、その原因はさまざまだが、転職するのであれば、やはり長期にわたって業績が安定している企業を選ぶことが肝要だ。
例えば、さほど大きな規模でなくても、中途採用で50人も募集するような会社はたくさんある。そういう会社には注意を要する。無理して業績を伸ばしている場合が多いので、入った転職者は、後で相当に苦労することになる。
経営者と従業員が一丸となって地道に努力して、少しずつ儲かっていくというのが、会社の正しいあり方なのだ。そこで少し欠員が出てしまったから、その分を補充しようという会社が、転職先としてはいちばんいい。人さえたくさん入れば儲かる、というような会社は最初からよくない。急成長している会社は、往々にして社員を大事にしない傾向がある。そんな会社では、社員は使い捨てにされてしまうのがオチだ。
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