無意味に子どもの短所を指摘する親たちの「罪」

ダメさを言い続けることのメリットはない

ということは、この日本、人を育てることが大切と言いながら、人の育て方を教えてもらっていないという致命的問題があるのではないかということなのです。その結果、自分が育てられたように育てたり、その場の気分で何となく対応したりすることになることでしょう。そのような方法が適切な場合もあるでしょうが、そうでない場合も数限りなくあると想定できます。

一方、世の中には人を育てるプロ、人材育成のプロ、という方々がいます。筆者はそのような方々と親しく交流させていただいていますが、そのようなプロが常識的に知っている「人を育てる(子育て含む)の重大原則」というものがあります。

その原則にしたがって、人を育てていけば、大筋では外すことはないはずです。その原則とは次のようなことです。

「長所をさらに伸ばすこと」

別の表現をすれば、「短所はいじらない」ということなのです。

短所を指摘しない理由とは

しかし実際、多くの親は、まずは子どもの短所にあれこれケチをつけます。おそらく「短所を是正することこそが、人を育てることである」と勘違いをしているためと考えられます。

ところが、人材育成のプロたちは長所だけを取り上げ、短所にはふれません。なぜかといえば、それは次のような理由によります。

「長所は自分では自覚ができておらず、短所は自分で自覚できているから」

いくら子どもとはいえ、自分の短所くらいはよくわかっているもの。それをわざわざ他人にちくちく指摘されれば、腹も立つというものです。

しかし、長所は自分では意外と自覚できていません。なぜなら、長所は自分では、当たり前にできてしまっていることだからです。

例えば、「○○さんはいつも笑顔が素敵ね」と言われたとします。しかし、言われた本人は、「いえ、普通ですけど」と答えることでしょう。自分では普通に行っていることなので、特段、長所とは自覚していません。

読書が好きな子どもに「たくさん本を読んですごいね」と言うと、その子は好きで読んでいるため別にすごいことであるという自覚はありません。このように長所は自覚的ではないという特徴を持っているのです。

他者から見たら、それは「すごいこと」なのですが、自分では自覚できていないため、あえて言ってあげないといけないのです。そして、その長所が自覚的になると、自己肯定感が上がり、自分に自信を持ち、ぐんぐん伸びていくのです。

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