転職に失敗する人の7割に共通する意外な特徴 高齢者の後悔で最も多いのはキャリア選択だ

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当然ながら、現役世代においてもキャリア選びの悩みは尽きません。

36万5000人を対象にした厚生労働省の調査では、入社から3年以内に会社を辞めた人間の割合は大卒でも約30%超。これが前向きな離職なら問題はありませんが、属性別のデータを見ると「思っていた仕事と実際の内容が違う」が離職動機のトップに入っており、やはり適職選びに失敗したケースが多数を占めています。

さらに、欧米やアジア圏での約2万件の調査によれば、ヘッドハンティングによって他社の管理職や総合職に転じた採用者のうち4割は1年半以内にクビになるか、自分の適応性のなさに気づいて自らポストを辞していました。

なぜ私たちは、ここまでキャリア選びが苦手なのでしょうか? 自分の将来を左右する一大事に対して、なぜ高い確率で誤った判断を下してしまうのでしょうか?

就職・転職の失敗の7割が「視野狭窄」

その根本的な“原因”について考えるために、ハーバードビジネススクールが行った調査を見てみましょう。

この研究は、日本を含む世界40カ国のヘッドハンターや人事部門の責任者1000人超にインタビューを行ったものです。過去に携わった転職の実例をピックアップしたうえで、働く場所を変えたことによって以前と同じパフォーマンスを発揮できなくなったり、人生の満足度が下がってしまったりした人に共通する要素を抜き出しました。

要するに、いい仕事を見つけられずに後悔した人たちの共通項を調べたわけです。その結果を一言でまとめれば、次のようになります。

就職と転職の失敗は、およそ7割が「視野狭窄」によって引き起こされる

「視野狭窄」とは、物事の一面にしか注目できなくなり、その他の可能性をまったく考えられない状態を意味します。一例を挙げれば、調査の中で最も多かった失敗は「下調べをしっかりしなかった」というものでした。

普通に考えれば、キャリア選択の場面では徹底的なリサーチを行うのが当たり前の話。もし友人から「直感で転職先を選んだ」などと言われたら、誰もが「もっと下調べをしなさい」とアドバイスするでしょう。が、いざ自分のことになると、なぜか私たちは十分なリサーチを怠りやすくなります。

ヘッドハンターたちの証言によれば、転職先の企業に「業績はどのように査定していますか?」や「仕事の裁量権はどれぐらい確保されていますか?」といった質問をぶつけた人はかなりの少数派だったとか。

彼らが「もはや十分な情報を手に入れた」と判断したのか、はたまた「もう自分の進路は間違いない」と思い込んでしまったのかは定かではないものの、どうやら多くの人は、「適職選び」という人生の一大事においても、意外なほど広い視野を維持できない傾向があるようです。

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