北朝鮮、突然の「重大な実験」が意味すること 見えないアメリカとの交渉の行方
日本人は新年をスマホの「警告音」で祝うことになるかもしれない。北朝鮮のミサイルの到来を告げる警告音で。
12月7日、北朝鮮は西部の西海(ソヘ)衛星発射場で、おそらく新しいタイプの大陸間弾道ミサイル(ICBM)用固体燃料エンジンの実験を行った。この発射場は、昨年のミサイル実験凍結の声明の一環で閉鎖されていた。
かつて日本に向けてミサイルを発射していた北朝鮮東部の発射場も、2009年以降休止状態だったが、改修工事の兆候が見られるとミドルベリー国際問題研究所の上級研究員ジョシュア・ポラック氏は述べている。
ICBMが太平洋に向けられる可能性も
アメリカの多くの専門家は、少なくとも今のところ、核実験再開の準備ができたという証拠は見いだしていない。その代わり、長距離ミサイル実験に注目が集まっている。おそらく実験は人工衛星の打ち上げを装うものとなるだろう。
「ミサイル打ち上げの再開は、金正恩朝鮮労働党委員長が2018年4月20日に交わした約束を守り、中国政府を過度に警戒させ怒らせることなく、困難を切り抜ける最善の策である一方、国連安全保障理事会を無視し、日本の意表を突くものではないか」 とポラック氏は見る。「ICBMの発射実験は、近い将来、日本を越えて太平洋に向けられる可能性もある」。
北朝鮮は、典型的なやり方でミサイル実験の準備を始めている。11月30日に発表された安倍晋三首相への不快な非難の声明の中で、北朝鮮の外務省幹部は安倍首相が多連装ロケットシステムの実験を非難したことに対して、はるかに不吉な脅しを持って応えた。「安倍は遠くない将来、本物の弾道ミサイルを間近で見ることになるだろう」。
北朝鮮は、アメリカのトランプ政権との舌戦も再開している。年末には北朝鮮の金正恩委員長が昨年4月に設定した米朝協議の期限が迫っているにもかかわらず、だ。
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