「不倫夫の自殺」で1000万円請求された妻の告白 事故物件化した賃貸にのしかかった賠償義務

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2、3の事故物件の逸失利益の請求額は、相場の倍の額だった。

「都市部では

『入居者が決まるまで約1年』

『家賃減額は約2年』

が相場だそうです。都市部は近所付き合いが希薄なため、噂が消えるのが早いということでこの年数になるそうです。田舎だともう少し長くなるそうです」

話し合いの結果、次の入居者を今月中に見つければ、2は0円になることになった。そして3の家賃減額も、4年から2年分へ減額された。

4についても大家からは

「もし2週間以内に新しい住人を見つけたら、慰謝料は0円にする」

と言われた。

「知人でDJをしている青年にお願いして住んでもらいました。かなり困った人で『無断で犬を飼う』『仲間を集めて大騒ぎする』『家賃を払わない』と住人としては問題行動ばかり起こして弱りました。家賃30万円ほどを立て替えることになりましたが、それでも言われたとおり素直に払うよりはずいぶん安く済みました」

1000万円の請求は、最終的に220万円まで下げることができた。最初の請求額が大きいため、ずいぶん安くなったような気がするが、それでも220万円というお金は大きい。

「それに、支払いはそれだけではありませんでした」

住民税は亡くなってからも払う必要がある?

夫が亡くなった後にすぐに、病院の入退院費を払わなければならなかった。遺体であっても、病院に入ったらお金はかかる。10万円ほど要した。

そして夫はなくなる前にクレジットカードで、買い物をしていた。調べてみると、復縁マニュアル(恋人や配偶者とよりを戻す手引)系の情報商材だった。夫は、ぺるみさんとよりを戻したいと思っていたようだった。

そのお金も、もちろんぺるみさんが返済しなければならない。

「そして夫の住民税もかかりました。住民税は何月に死のうが、全年払いになると、そのとき初めて知りました」

全年払いとはつまり1月1日に生きていたら、その年の12カ月分は支払わなければならないということだ。夫が亡くなった時期を考えると、半年以上分の住民税を納めなければならなかった。

「夫が亡くなった際におりた保険金は、大半がそれらの費用で消えてしまいました。

それでも、なんとか丸く収まってよかったです」

多少損をしても、素直に払ってしまったほうが、精神的には楽だったかもしれない。

ぺるみさんは言う。

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