交通手段断たれても会社へ行く人の危うい思考 法人に対してなぜ「人格」を持って考えるのか
電車が止まろうがなんとしても会社へ行く
あなたにとって会社とはどのような存在でしょうか? 捉え方は人それぞれでしょうが、どこか「実体」があるような感覚を持っている方が多いと思います。「うちの会社は」などという言い方もします。
しかし、冷静に考えると、会社に実体はありません。あくまで幻想です。幻想にすぎないのに、時にそれが社員の心を殺すことすらある。私はその原因を構造化し、処方箋を出す。それをやりたいと思ってきました。今回は台風が明らかにした「日本の企業」の課題。その仕組みについて迫っていきましょう。
今年9月に上陸した大型台風15号は、会社という幻想の暴力性を改めて浮き彫りにしました。台風通過後のツイッターには「改札にさえたどり着けない」「パニック映画みたいだ」「完全に地獄絵図」など、まさに人々が阿鼻叫喚する様子が次々と投稿されました。
その台風15号の影響により、首都圏の鉄道各社は始発から運転見合わせを余儀なくされました。予想外の被害によって運転再開の予定はどんどんと後ろ倒しになり、駅構内はすし詰め状態、入りきれない乗客たちが駅の外まで長蛇の列を作っていました。
このとき、駅にいた多くの人がこう考えていたのではないでしょうか。
それでも、会社に行かなければ――。
あるいは、こう考えていたかもしれません。
本当に、会社に行く必要があるのか――。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら