弘兼憲史「定年までに50代男が心得たいこと」 妻と一緒にいたいなら自立しなければならない
自己主張しない「いい妻」に表れやすい
問題はハッキリしている。夫婦の危機は、家の中で大きな赤ん坊にすぎない男に原因がある。無事定年まで勤め上げても、そこで待っているのはキツイ現実だ。
「主人在宅ストレス症候群」
夫が家にいるだけで妻が精神的、肉体的にバランスを崩す症状だ。
この「症候群」は、心身医学の黒川順夫先生が発表したものだが、夫の定年が近づくに従って妻に胃潰瘍、頭痛、軽度のウツ、末梢神経過敏症などが現われる。自己主張しない「いい妻」に症状が表れやすい。
これでは外の世界で発揮するダンディズムも形なしじゃないか。自分が原因で妻が病気になるのだ。これほどみっともないことはないだろう。恥だと思わなければいけない。
妻があまり自己主張しないタイプかどうか。そして世間的にいって「いい妻」かどうか。まず自問してほしい。
そういう妻なら、夫の傍若無人さや無理解を、黙っていたかもしれない。黙っているのは不満がないことだ、そう思っているかもしれないが、妻の不満は外からはわからない。

















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