いきなり!ステーキ、急失速に見た積極出店の罠 マイナス続く既存店売上高、見えない打開策

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これまでいきなり!ステーキの退店はほぼ行ってこなかったが、一向に売上高が上向かない状況を受け、2019年11月には社内競合を解消するために2019年末から2020年にかけて赤字や赤字すれすれの44店舗を閉店すると発表した。

ただ、特に業績が悪いと言われるロードサイド店だけでなく、路面店や商業施設内の店舗も一定程度含まれる。加えて今回閉店が正式に決まった44店舗は、契約の都合上早期に退店可能というだけであり、今後も赤字店舗の閉店が続く可能性は十分高い。

手探りの状況が続く

直近では2019年11月から、ディナータイム時の定量カットを始めた。以前のディナータイムでは、顧客がカット場に行ってグラム単位で注文するスタイルだった。ただ300グラムでいくらとメニューで価格が明示されることで、顧客が懐事情と突き合わせやすくなり注文のハードルを下げると見込む。

ペッパーフードサービスの一瀬邦夫社長。2019年3月から、一瀬社長自らが出演するTVCMの放映も開始するなど、販促に力を入れてきたが、厳しい状況が続いている(撮影:尾形文繁)

また、いきなり!ステーキの急失速を受け運営会社のペッパーフードサービスが代わりに注力し始めたのが、「ビーフペッパーライス」を看板メニューとする低価格ステーキ店ペッパーランチだ。2018年の1年間では17出店していたが、2019年には11月までで出店数が32まで増加している。いきなり!ステーキからの業態転換も一部で行われている。

あの手この手でいきなり!ステーキの業績改善を図るペッパーフードサービスだが、手探りの状況が続いている。打開策が見つかるまでには時間がかかりそうだ。

遠山 綾乃 東洋経済 記者

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とおやま あやの / Ayano Toyama

東京外国語大学フランス語専攻卒。在学中に仏ボルドー政治学院へ留学。精密機器、電子部品、医療機器、コンビニ、外食業界を経て、ベアリングなど機械業界を担当。趣味はミュージカル観劇。

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