いきなり!ステーキ、急失速に見た積極出店の罠

マイナス続く既存店売上高、見えない打開策

既存店売上高の急激な悪化に伴い、ペッパーフードサービスでは期初計画の目算が大きく外れ、業績が急速に悪化している。

2019年2月に発表された2019年12月期の当初の計画では、売上高が935億円(前期比47.3%増)、営業利益55.9億円(同44.8%増)と、大幅な増収増益を見込んでいた。それが第3四半期決算を発表した2019年11月には、売上高は665億円(前期比4.8%増)、営業損益に至っては7.3億円の赤字(前期は38.6億円の黒字)に転落する見通しを発表した。

出店スピードも失速している。当初は2019年に210店を出店する計画だったが、2019年8月時点で出店計画を115に縮小。2019年10月時点で、いきなり!ステーキは国内で487店舗にとどまっている。

2017年に進出したアメリカでの事業も失敗し、2019年に11店舗のうち7店舗で退店、2店舗はペッパーランチに業態転換。7月にはナスダックの上場も廃止した。

不十分だった商圏調査

いきなり!ステーキの業績が急降下した大きな原因は大量出店にある。

1つ目は出店を加速するため、出店地域の人口を調査しないなど商圏調査が不十分だった点だ。特に郊外の店舗では、車で来店するため商圏が広いにもかかわらず出店に邁進。家賃が低いため、店舗が近くて問題ないと考えていたが、結果として店舗同士で客を奪い合う事態が発生した。

所得水準が低い地方には高価な価格設定も仇となった。当初は1グラムあたり5円だったリブロースステーキは現在6.9円まで値上がりしている。いきなり!ステーキは300グラム以上を推奨しているが、その場合、ステーキだけで2000円を超えてしまう。結果として割安なランチの時間帯に行く顧客が多く、広い時間帯で顧客を獲得できていない。

次ページ「類似業態の増加」や「顧客の飽き」
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