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酒をやめた「大酒飲み」から見えた衝動の抑え方 自分への報酬も怒りの感情も消えてはいない

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武田:その探索にはどれくらい時間がかかるものなんでしょう。割とすぐたどり着けるものなんですか?

武田 砂鉄(たけだ・さてつ)/フリーライター。1982年、東京都生まれ。大学卒業後、出版社で主に時事問題・ノンフィクション本の編集に携わり、2014年からフリーに。『cakes』『文學界』『VERY』『暮しの手帖』などで連載を持つ。2015年、『紋切型社会 言葉で固まる現代を解きほぐす』で第25回Bunkamuraドゥマゴ文学賞を受賞。他の著書に『芸能人寛容論』『コンプレックス文化論』『日本の気配』などがある。ウェブサイトはhttp://www.t-satetsu.com/(撮影:塚本 弦汰)

町田:ムカッとなって瞬間的にそれを出してしまうと、もうそれ以上のことは考えられなくなる。でもいったんコーヒーを淹れるとかね、チャンネルを切り替えてみてから改めて考えると、自分に原因があることに気づくんです。5分かかるか1時間かかるかはわかりませんけど、別のバイパスを通ることによって自分にたどり着くことが多いですね。

でも、そういう考え方をするようになったのも、酒をやめてから。酒をやめてから起きた思考の変化ですね。そうは言っても、今でも時々は運転中に、「こいつなに考えとんねん。もしかしてどアホなのか」と呟いたりしていますけど。

かつて酒はアウトサイダーになるアイテムだった

武田:町田さんのお酒デビューはどんな感じだったのでしょう?

『往復書簡 無目的な思索の応答』(又吉直樹著、武田砂鉄著、朝日出版社)。書影をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

町田:登山部の先輩にビール飲めって言われて飲んだのが最初ですね。パンクロッカーになってからはかっこつけてウイスキーを飲んだりしていました。「俺はアウトサイダー!」って、ロッカーのパブリックイメージをまねして飲み始めて、気づいたら好きになっていました。あの頃は、そんなことが一人前の証しでしたから。はっきり言ってアホです。

武田:アウトサイダーになるためのアイテムだったと。勝手な印象ですが、今の若い人はあまりアウトサイダーになろうとしませんし、酒にしろタバコにしろ、みんなと違うことをやりたがる人は少ないかもしれません。

町田:武田さんの場合は、周りと同じことはやりたくないっていう意識だったんでしょ?

武田:大学生や社会人になった頃は酒飲むのが普通でしたから、そうですね、あえてベクトルを変えていたところはありますね。もう15年くらい後に生まれていたら、逆に酒飲みになっていた気がしなくもありません(笑)。

(構成:鳥澤 光)

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