酒をやめた「大酒飲み」から見えた衝動の抑え方 自分への報酬も怒りの感情も消えてはいない
武田:その探索にはどれくらい時間がかかるものなんでしょう。割とすぐたどり着けるものなんですか?
町田:ムカッとなって瞬間的にそれを出してしまうと、もうそれ以上のことは考えられなくなる。でもいったんコーヒーを淹れるとかね、チャンネルを切り替えてみてから改めて考えると、自分に原因があることに気づくんです。5分かかるか1時間かかるかはわかりませんけど、別のバイパスを通ることによって自分にたどり着くことが多いですね。
でも、そういう考え方をするようになったのも、酒をやめてから。酒をやめてから起きた思考の変化ですね。そうは言っても、今でも時々は運転中に、「こいつなに考えとんねん。もしかしてどアホなのか」と呟いたりしていますけど。
かつて酒はアウトサイダーになるアイテムだった
武田:町田さんのお酒デビューはどんな感じだったのでしょう?
町田:登山部の先輩にビール飲めって言われて飲んだのが最初ですね。パンクロッカーになってからはかっこつけてウイスキーを飲んだりしていました。「俺はアウトサイダー!」って、ロッカーのパブリックイメージをまねして飲み始めて、気づいたら好きになっていました。あの頃は、そんなことが一人前の証しでしたから。はっきり言ってアホです。
武田:アウトサイダーになるためのアイテムだったと。勝手な印象ですが、今の若い人はあまりアウトサイダーになろうとしませんし、酒にしろタバコにしろ、みんなと違うことをやりたがる人は少ないかもしれません。
町田:武田さんの場合は、周りと同じことはやりたくないっていう意識だったんでしょ?
武田:大学生や社会人になった頃は酒飲むのが普通でしたから、そうですね、あえてベクトルを変えていたところはありますね。もう15年くらい後に生まれていたら、逆に酒飲みになっていた気がしなくもありません(笑)。
(構成:鳥澤 光)
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