住宅ローン「滞納後」にたどる恐ろしい道のり 「うっかり」でも滞納がダメなこれだけの理由

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最初の1~2カ月は、圧着はがきで支払い請求書が送られてきたり、金融機関から電話がかかってきたりします。

それでも滞納が続くと、借入先の金融機関へ来店して事情を説明してほしい旨の来店依頼状や、住宅ローン返済の督促状が送付されてきます。同じ内容の督促状もしくは最終督促状が届いたら危険信号です。「何度も督促したのですがダメでした」という事実を積み上げることで、競売申し立てなどの権利行使に移る方向に舵を切られたことになるからです。

必ず金融機関に連絡を入れ、事情を説明し、返済条件の変更など今後について調整する姿勢が重要です。

何もしないとかなりまずい

何も行動を起こさずにいると、ここからはジェットコースターのように一直線にまずい方向へ加速します。金融機関はマニュアルに則り、競売に向けて手続きを始めてしまうからです。

住宅ローンの滞納が続くと、「期限の利益の喪失に関する予告書」や「代位弁済の通知書」といった書類が送られてきます。これは事実上の“最後通告”です。

「期限の利益」というのは、毎月少しずつ返済するのでお金を貸してくださいという、ローン契約でよく出てくる言葉です。住宅ローンを借りる際に交わした契約書(金銭消費貸借契約書)には、分割して毎月決められた日に少しずつを一定期間にわたって返済するという約束事として明記されています。

そのため、延滞して決められた日に返済できなかったということは、その約束事を債務者側から破ることを意味します。つまり、契約違反と見なされて「期限の利益」を失って分割払いが許されなくなり、その時点での残債と遅延損害金について一括返済を迫られることになるのです。

しかし、毎月の返済でも滞っている状況ですから、数千万円もの残債を、分割ではなく一括で請求されたら払えるはずもありません。そこで、保証会社を利用している場合には、代位弁済が行われることになります。

代位弁済とは、債務者に代わって保証会社が金融機関へローン残債を一括返済することです。住宅ローンを組む際に、諸費用の1つとして数十万円支払ったあの「ローン保証料」は、この仕組みにかかる費用なのです。

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