JR西日本381系「やくも」、国鉄形特急最後の輝き 岡山―出雲市で現役活躍中も引退時期が迫る

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一方、「やくも」は1982年の電化置き換えから一貫して381系が使われており、国鉄色から薄紫色ベースの「スーパーやくも」色、窓周りが緑色の「やくも」色を経て、現在は窓周りが赤色の「ゆったりやくも」色へと移り変わった。

サロ381形を改造したサハ381形は2連窓が特徴(筆者撮影)

パノラマグリーン車編成と一般編成でグリーン車の連結位置を統一するため、もともとグリーン車だったサロ381形が普通車のサハ381形に、逆に元普通車のクハ381形がクロ381形に改造されており、「グリーン車によくみられる2連窓なのに普通車」「普通車の窓割なのにグリーン車」が生まれている。

また、リニューアル工事でシートピッチが拡大されたため、現在は全車とも座席と窓割が一致しておらず、真横に窓がない座席もある。

4年後に迫る引退

伯備線の全線電化以来、その看板を背負ってきた381系だが、引退の時が少しずつ迫っている。JR西日本では、2022年度から2023年度にかけて381系を新型車両に置き換える計画としており、381系の活躍が見られるのは長くてあと4年強の予定だ。

「381系は抵抗制御方式で、振り子機器も比較的手がかからず、メンテナンスしやすい車両です。乗り心地についても、快適に乗車していただけるよう改良を重ねてきました。先のことはまだわかりませんが、引退するその日まで元気に走れるよう、丁寧に保守していきたいと思っています」と、後藤総合車両所出雲支所の森山修司支所長は話す。

鉄道ファンの一人として、将来国鉄色に戻った381系が再び伯備線を走ることを期待しつつ、最後までその活躍を見守りたい。

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伊原 薫 鉄道ライター

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いはら かおる / Kaoru Ihara

大阪府生まれ。京都大学交通政策研究ユニット・都市交通政策技術者。大阪在住の鉄道ライターとして、鉄道雑誌やWebなどで幅広く執筆するほか、講演やテレビ出演・監修なども行う。

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