重低音で快走、JR東海「キハ85」が開いた新時代 俊足と「ワイドビュー」で在来線の先駆けに

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「ワイドビューひだ・南紀」で使用するJR東海の特急形気動車「キハ85系」(記者撮影)
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JR東海は1987年の国鉄民営化に伴い発足して以降、日本の大動脈である東海道新幹線の輸送力増強に積極的な姿勢を見せてきた。2020年春には全列車の最高速度を時速285kmに統一、「のぞみ」の1時間当たりの運行本数を最大12本に増やす予定だ。

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新幹線が注目を集めがちだが、高山本線や紀勢本線といった非電化区間を含め、在来線へも新型車両を投入してきた。現在、国鉄時代に製造された車両はほぼ残っていない。

JR東海が初めて開発した車両

JR東海が発足して最初に開発した車両が「ひだ」と「南紀」で運用する特急用気動車(ディーゼルカー)「キハ85系」。いまから30年前、「ワイドビュー」の愛称がよく似合う画期的なデザインの車両が、新時代の到来を告げる重低音を響かせて姿を現した。

貫通扉が付いたもう1つの顔がある(記者撮影)

キハ85系は1989(平成元)年2月18日、特急「ひだ」の車両としてデビューした。

それまで名古屋から飛騨・南紀方面の非電化区間を走っていた国鉄時代の特急用車両が老朽化。より多くの観光客に利用してもらうため、新車両には渓谷を縫うようなカーブや勾配がきつい路線での速達性と快適性の両立が求められていた。

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