セブンとファミマ「曲がり角対策」の決定的な差 だから2番手は加盟店への融和政策を採る
コンビニ2位のファミリーマートが11月14日、加盟店の時短営業を認めるとともに、本部社員800人の希望退職を募るという方針を発表しました。コンビニ業界におけるリストラの動きはファミマだけではなく、先んじて10月には業界首位のセブン-イレブン・ジャパンが2019年下期以降、1000店舗を閉店・移転するというリストラ方針を発表しています。
この2つの発表を見ると、これまで右肩上がりに成長してきたコンビニ経営の転換点のように感じる人も多いでしょう。確かにコンビニの拡大戦略が岐路に来ていることは間違いありません。ただ、2社が発表した「曲がり角対策」は、その中身が180度違っているように思えるのです。
ファミマが発表した加盟店との関係性のあり方についての方針変更案は、ある意味で衝撃的でした。まず24時間営業を見直す時短営業ですが、これを加盟店の判断で決定できる制度に決めたというのです。
ファミマの時短は加盟店オーナーに決定権
ファミマではこの6月から一部地域で時短営業の実験を開始し、利用客の利便性や売り上げへの影響と、店舗運営効率への効果を検証してきました。10月からはその時短実験規模が拡大したので、私はおそらく一部の店舗については時短営業を認める方向になるのだろうとは想像していましたが、今回の発表はその想像を超えていました。「加盟店のオーナーに決定権を持たせる」というのです。
一方で24時間営業を続ける店舗に対しては、支援金のベース金額を月10万円から12万円へと増額するそうです。だったら時短を選ぶことが損になる制度なのかと思うところですが、それがそうでもない。例えば週1日での時短営業を選ぶオーナーに対しては日割り計算で24時間営業分担金を支給するということです。新制度は時短を選ぶオーナーにもやさしいのです。
もう1つ私がファミマについて注目したのは、廃棄ロス対策の強化についてです。ファミマは廃棄ロスの加盟店と本部の負担割合について、本部の比率を高めるというのです。要するにフードロス問題についての責任所在について、本部の責任意識をより強める制度にすると決めたのです。
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