「義父も私の面倒をみるのを嫌がりました。下に妹がいて自分の子がいるので、いっぱいだって。親権は父親が持っても『面倒をみることはできない。行き場所があるなら、出ていってくれないか』ってはっきり言われました。児童養護施設に入ろうか考えました。すごく悩みました」
実の母親に捨てられ、親権者の義父にウザがられた揚げ句、知らない中年男性との生活、低賃金の長時間労働、どこにも居場所がないなど、彼女の状況は問題だらけだ。彼女の意思次第では、公的機関に助けをいつ求めてもおかしくない状況にある。すべての出来事が彼女のストレスになっている。会ったときに感情が高ぶって泣いてしまったのは、母親に親権を切られたことのショックが理由だという。
「自分の血のつながっている親は、お母さんしかいなかった。勝手に親権を切られたのを知ったとき、病みました。本当に心からショックでした。どっちにつくとか聞かれもせず切られました。『私はリセットしたいから』ってそれだけ。そう聞かされたとき、お母さんにももう新しい家庭がありました。
本当は一人暮らしし、高校に行きたかった。でも、自分で働いて高校に行きながら、一人暮らしまではどう考えても不可能です。アパートも借りることができないし、収入が圧倒的に足りない。それに高校に行くにしても、義父に頭を下げにいくのは嫌でした」
そして悩みに悩み、高校を中退して働き、現在居住する中年男性の家に住むことにした。
「光熱費とか家賃はいらないって。家事してもらって、自分の生活費とか食費とかだけ負担してくれればいいよって。それで、今一緒に住まわせてもらっています」
肉体関係があったほうが、気持ちは楽になる
本当に幼く見える。子ども、女子児童だ。聞きづらい。「その中年男性と深い関係は?」と、さらりと質問を投げた。「ありません」と何度も首をふる。「でも、あったほうが気持ちは楽かな」と、また涙目になった。
「恋愛関係はないです。でも、それっぽい雰囲気になることはあります」
そう言い出した。「彼ではなくて、私が、です」と言葉が強くなる。
「いい人だな、の延長です。年齢差もあるし、ただでさえ、同情で一緒にいるのかわからないけど、そういう子をそういう目で見ることができないと思う。言わないですけど、私はそういう関係になりたい。
2階の部屋を分けて使っていて、リビングでは一緒に過ごしています。一緒に住んでいても、住まわせてもらっている身なので安心できないというか、いつも不安。だから恋愛関係になったほうが私の気持ちが楽だし、私は心の奥底でそうなることを望んでいます」
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