1度聞いただけではわからない境遇だった。母親はフィリピン人で、現在35歳。母親が18歳のとき、フィリピンで旅行者だった実の父親と知り合い、結婚するために来日。彼女が2歳のときに離婚、実の父親のことはいっさい記憶になく、誰だかわからない。
それから母親と同棲する日本人男性の居住地にあわせて、東北、東京、静岡などを転々とした。小学校5年生のとき、群馬県に引っ越し、母は現在の義父と再婚した。義父は自動車工場勤務、母親は食品系の工場に勤めている。
落ち着きを戻した彼女は、その年齢とは思えないしっかりした口調で語る。頭のいい子だと、すぐにわかった。
「ずっとアパートで暮らしていました。私が母の連れ子で、妹は義夫との子ども。4人暮らし。でも半年前に母親が一方的に離婚して家を出てしまって、私は親権を切られて男性の家に預けられたって状態です。母親はもう別の日本人男性と一緒に暮らしています。その男性との子どもを妊娠して、近いうちに結婚するようです。私のことが邪魔だし、いらなくなったんです。
今、私の親権者は義父なんですが、母親がいないので、とても何かを頼れる関係性はないです。私はもう家を出たので、義父が現時点で何をやっているかわからないし、会っていないです。お母さんも親権を切って、別の男性と暮らしてからは、知らぬ存ぜぬで全然会っていません」
親戚でもない赤の他人の男性と同居中
現在、暮らしているのは38歳未婚男性が住む一軒家で、料理と洗濯をする条件で2階の1室を使っている。その人は母親と義父が連れてきた男性で、娘との同居を母親が交渉したという。
母親は自分の子どもの扶養義務を血のつながっていない義父に押しつけて離婚。困った義父が知人である中年男性を見つけてきた。母親が娘との同居を交渉。娘を押しつけた流れのようだ。
「その男性は義父の知り合いで、親戚でもなんでもない。その方が一軒家を買うってことで部屋が余る。それで私のことを頼んだみたいです。システムエンジニアで出張が多く、ほとんど一人暮らしみたいな状態です。母親と義父がその方に私との同居を持ちかけて、母親は何度も頭を下げて説得していました」
母親と義父の離婚理由は、母親が別の男性との子どもを妊娠したこと。母親は義父との結婚生活の継続ではなく、離婚し、妊娠の相手と再婚することを望んだ。相手の男性は母親に対し、現夫との離婚、それと連れ子がいないことを条件に出した。それで百合奈さんが邪魔になった。
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