鳩山政権で建設・不動産業界はどうなる? 影響度を一問一答《特集・不動産/建設》
また、「地元住民らの理解が得られるまでは、特定多目的ダム法に規定する基本計画の廃止に関する法律上の手続きも始めない」と語っている。八ッ場ダムは新政権の実行力を測る試金石とも見られ、鳩山政権の意志は固いが、地元住民の反発も強く、話し合いは長期化する可能性がある。
Q3 新政権は公共事業や建設業に対し、基本的にどのような評価をしているのか。
前原大臣は就任後の会見で、「建設業界の果たしている役割は極めて大きい。公共工事が景気の下支えに一定の効果があるのも事実」とは認める。一方で、「建設国債で借金が膨らみ、社会資本の維持管理費も増大している。少子高齢化、財政赤字拡大が進む中でサステナブル(持続可能)に国家運営するには、予算配分の見直しは避けられない」と語り、「税金をどこに優先的に配分するかを考えた場合、公共事業を減らさざるをえない」との立場だ。
社会資本の整備という点では、「観光立国」を提唱する前原大臣は空港、港湾の競争力強化に言及しており、特に「羽田空港の役割を評価していくことが大事」とも語っている。
Q4 新政権の不動産や住宅に関する政策には、どのようなものがあるか。
民主党マニフェストでは、「環境に優しく、質の高い住宅の普及を促進する」という政策目標を掲げている。まずリフォームを最重点に位置づけ、バリアフリー改修、耐震補強改修、太陽光パネルや断熱材設置などの省エネ改修工事を支援する方針。鳩山政権では「温暖化ガスの90年比25%削減」を国際公約しており、太陽光パネルなど省エネ改修の支援策は特に注目されそうだ。
住宅の劣化状況などを診断する専門家(ホームインスペクター)の育成を挙げているが、これも中古住宅のリフォーム促進につながる。